ミニレビュー

スリコの2200円“イヤカフ”イヤフォンを買ってみた 結構使える

3COINS「オープンイヤーイヤカフイヤホン 2413/KRU03」

様々な雑貨が低価格で購入できる3COINSに、イヤカフ型の完全ワイヤレスイヤフォンがラインナップされていた。価格は2,200円と激安。完全ワイヤレスイヤフォンをよく紛失する筆者は、予備として使えそうだと、1つ購入してその実力を試してみた。

イヤカフ型で耳栓タイプより装着しやすい

価格が価格なので特段の期待もせずに、使い始めた。それぞれ後述するが、ざっくりと結論を記せば、音質が著しく悪いわけではないが好みは分かれそう。また低価格モデルならではの気をつけるべき点はあるものの、使いづらいわけでもない。

まず装着感については、今回のようなカフ型のイヤフォンを使うのは初めてだが問題なかった。筆者のように耳が小さい人間には、耳栓タイプよりも装着しやすいと感じた(耳が小さいからか耳栓タイプだと、耳が痛くなる)。室内を歩いたり食器などを洗ったりしながら使っても、微動だにしないので、装着していることすら忘れられる。

意外と言ってはなんだが、IPX4の防水性も備えている。使ってみた限りでは、耳からポロッと外れることはなく、洗面所のシンクに落としたり、雨の中で聞いても壊れにくいのは安心だ。

耳にはさむように装着し、耳栓タイプよりも装着しやすかった

音質については、特に高音域の音のエッジが効きすぎている……柔らかさが欠けているように思え、大げさに言えば高音域がキンキン聴こえる。また筆者がよく聴く、朗読コンテンツの場合は、朗読者の声が少しこもって聴こえるので、やはり音質が良いとは言えない。だが音は好みの領域なので、「音のエッジが立っていて、むしろいいじゃん!」と思うユーザーもいるだろう。

マイクが搭載されているので、電話やリモート会議で話すこともできる。音楽等を聞かず、イヤフォンは電話やリモート会議でしか使わない、という人なら2,200円の本機1つでも十分そうだ。

筆者の好みの音ではないが、音質が悪いわけではない
イヤフォンに配置されているボタンで、電源のオン/オフや電話の受電などの操作が可能

なおオープンイヤーの開放型イヤフォンなので、周囲の音が聞こえる点を特徴としているが、イヤホン本体の半分くらいを耳穴に突っ込むように装着するため、隙間は少ない。装着時は周囲の音は聞こえなくはないが、仕事で集中していると突然話しかけられた時などに気が付けないこともあった。

その分、開放型で懸念されがちな音漏れは少ない。音楽を「ちょうどいいな」くらいの音量で聞いている分には、普通の距離で離れている人には聞こえなかった。

開放型のメリットは、周囲の音が聞こえるというよりは、耳栓タイプより装着感が良い点に優位性を感じられた。耳栓タイプを長時間装着していると耳が痛くなる人には特におすすめできる。

音漏れは気にならなかった

電池残量がわかりやすい

バッテリーは、仕様表によれば連続再生時間は約5時間とある。実測したわけではないが、だいたいそれくらいは使い続けられそうだ。

充電ケースのディスプレイでは、充電ケースの電池残量と、左右それぞれの充電状況が確認できる。電池残量の表示が大きくわかりやすいのはありがたい。高いワイヤレスイヤフォンでも、電池残量はライトの点灯だけというのは多いのでこの大きい表示はなかなか便利だ。

充電ケースのディスプレイで、充電ケースの電池残量などが確認できる

充電については、充電ケース背面にあるUSB Type-Cポート経由で行なう。ケーブルやアダプターなどは付属していないものの、「けっこう最新仕様だな」と思った。

だが、製品パッケージや取扱説明書に記された注意書きを読むと、「PD(Power Delivery)対応の充電機器は使用しないでください」とある。ケーブルの両端がUSB Type-C端子になっているものではなく、必ず一方がUSB Type-A端子になっているケーブルを使うようにしよう。

充電ケースの背面にUSB Type-Cポートを配置
充電用のケーブルやアダプターなどは付属していない
必ず一方がUSB Type-A端子になっているUSB Type-Cケーブルを使用する

ペアリングは一般的なBluetooth機器との接続設定と基本的には同様。例えばiPhoneであれば、はじめに充電ケースからイヤフォン本体を取り出し、「設定」アプリを開く。「Bluetooth」画面へ進み、Bluetoothをオンにしたら、画面下部の「その他のデバイス」に「cuff music」と表示されるのを待つ。

表示されたらタップし、また数秒待つ。接続設定済みの一覧「自分のデバイス」に「cuff music」が表示されたら、またタップする。「未接続」が「接続済み」と表示されたら完了だ。あとは音楽や動画を再生すれば、イヤフォンから音が流れる。

設定画面で「cuff music」を選択すれば、接続設定できる

ただし、複数の機器に接続できる「マルチペアリング(マルチポイント)」には非対応。スマホでの利用からパソコンでの利用に切り替える場合は、一度スマホのBluetoothをオフにするなど一手間が必要になる。

低価格モデルならではの気をつけるべき点があると上述したのは、この充電ケースの充電ケーブルについてと、マルチペアリングについてだが、そこさえクリアすれば他は問題なく使える。

必要十分な機能を備えているので、メインで使っている完全ワイヤレスイヤフォンを忘れたり紛失したりした時のために、バッグの中に忍ばせておきたいと思う。

河原塚 英信