ミニレビュー

本も工作も“ちゃんとした色”で見たい! 高演色LEDのデスクライト「Z-208PRO」

ちゃんとしたデスクライトが欲しい

Z-208PRO。点灯したところ

デスクにデスクライトという組み合わせは、筆者にとって高校生の頃まで当たり前だったが、大学生になるとPCでの作業が多くなり、ちゃんとしたデスクライトを使わなくなっていた。一方で、模型製作や電子工作といった机上で作業をする趣味もあったため、これらは電球型の蛍光灯を装着したクリップ式のスポットライトで代用してきた。近年はこのクリップライトの電球をLEDに変え、直近では色が正確に見える高演色タイプのLED電球を3カ所に設置していた。

しかしクリップ式のスポットライトやそれに装着する電球タイプのライトは、「作業時に手元を照らす道具」としてはあまり適切ではなかった。

光源が点に近いので影が強く落ちるし、それを軽減しようと左、中央、右の3カ所にライトを設置していたが、今度はそれによってツヤ面や鏡面に光源が写り込むことが増え、ちょっとした小物を撮影しようと思っても、光源が反射しない角度を探すのに苦労する塩梅だった。

ただ、色が正確に見える高演色タイプのLEDには「作業用には絶対コレだ」という確かな手応えを感じていたため、引っ越しを機にデスクまわりを刷新したタイミングで、高演色タイプかつ、ちゃんとしたデスクライトを買うことにした。

Z-LIGHTの「Z-208PRO」を購入

新たに購入したのは、山田照明が「Z-LIGHT」ブランドで展開する「Z-208PRO」。通信販売サイトでの価格は21,780円(税込)だった。

「Z-208PRO」のパッケージ
「Z-208PRO」
デスクに設置した様子

「Z-208PRO」には、太陽光下で見た場合に近い、色の再現性に優れたRa97という指標の高演色LEDが搭載されている。光源色(色温度)はモデルにより異なり、Z-208PROは5000Kの昼白色、Z-209PROは6500Kの昼光色となっている。

筆者が購入したモデルは、(相対的には)やや暖色系で本や印刷物の閲覧により適しているといわれる5000Kの昼白色モデルだ。

紙の書籍や印刷物を読む機会は、筆者宅では激減しているし、引っ越しを機にほとんどを処分してしまった。しかし、逆に手元に残した紙の本は、大切と思えるものばかり。デザイン関連の書籍や展示会の図録など、「ちゃんとした色で見たい」というものが多い。趣味の電子工作でも、小さなパーツに付けられた色を見分ける必要があり、正確な色再現性のライトに助けられる場面は多い。

本を読むイメージ。色温度はPCディスプレイ(6500Kなど)と比べると暖色系だが見やすい
電子工作キットのパーツ。高演色LEDなら抵抗のカラーコードなど小さなパーツの色も見分けやすい

白い紙が優しく自然に見える

「Z-208PRO」のLEDは蛍光灯のように細長く配置されており、反射板も工夫されていることで、広範囲をムラなく照らすようになっている。これは、これまで筆者が使っていた電球型のスポットライトとは大きく異なるポイントで、強い影が落ちにくいため、見やすく、細かな作業も行ないやすい。

LEDライト部分の幅は540mm。シェードの反射と合わせて広範囲をムラなく照らせる

明るさは7段階で調整でき、ランプシェードの右側にあるロータリースイッチで切り替える。オフのポジションから「1」~「7」と回転させて調整するが、オフのポジションから逆に回転させると「7」になり、最も明るいポジションをすぐに点灯させることもできる。40cm直下の照度は、ポジション1で250ルクス、7で2240ルクスになり、LEDのZ-LIGHTシリーズの中ではかなり明るい部類だ。

ランプシェードの近くにある3カ所のネックジョイントはいずれも180度回転でき、真後ろや真横も照らせるなど、ポジションの自由度はかなり高い。基部になるアームは長く、立ち上げれば27型のPCモニターの上にも余裕をもって配置できる。クランプは面積が小さいため強度に不安は残るが、筆者の用途ではアームを頻繁に動かすことはないため、今のところ問題は起こっていない。

シェードの右側にあるロータリースイッチ
オフのポジションから下に回転させると「1」に、上に回転させると「7」になる
3カ所のネックジョイントはそれぞれ180度回転する。ヘッドを平行移動する機構は搭載されていない
ネックジョイントの可動だけで真横や真後ろを照らすことも可能
クランプは小型なため強度に不安が残る

Z-LIGHTシリーズの定番である「Z-80PRO II」と比較すると、Ra97の高演色LEDは同じだが、「Z-80PRO II」は10~100%の無段階調光が可能。一方、最大照度など明るさの部分では「Z-208PRO」が上回る。電子工作など立体構造の奥までしっかり把握したい場合、より明るい「Z-208PRO」が適しているといえそうだ。

「Z-80PRO II」の特徴のひとつであるヘッドを平行移動できる機構は、「Z-208PRO」には搭載されていない。このため、広い机で2カ所を行き来しながら作業するといった場合は「Z-80PRO II」のほうが適しているだろう。

筆者は5000Kの色温度のライトを使うのは初めてだが、当初は暖色系すぎるかなと思っていたものの、白い紙を優しく自然に見ることができ、かなり気に入っている。そうした印刷物をしっかり見たいという目的もあるが、最大照度が明るいので、趣味の電子工作での利用でもかなり活躍してくれそうだ。

太田 亮三