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ラピダス、2nm世代半導体の研究開発パイロットライン稼働
2025年4月1日 18:18
Rapidus(ラピダス)は、2nm世代半導体の研究開発について、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から2025年度の計画と予算が承認されたと発表した。承認されたのは、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発(委託)」における「日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発」、「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」の2つ。
「日米連携に基づく2nm世代半導体の集積化技術と短TAT製造技術の研究開発」は、2022年11月に採択され、半導体製造では前工程に関連するプロジェクト。Rapidusは北海道千歳市で製造拠点IIM(イーム・Innovative Integration for Manufacturing)を建設、米IBMと協力して量産技術開発を行なった。さらに製造装置の設置、クリーンルーム稼働開始などにより、2024年度の目標を達成している。
「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」は2024年3月に採択。半導体製造で後工程に関連するプロジェクトで、2nm世代の半導体を用いたパッケージの大型化と低消費電力化を実現する実装量産技術・設計に必要なデザインキット、チップレットのテスト技術の確立を目的に、設計・製造技術の開発を行なっている。
米IBMや独研究機関のFraunhofer、シンガポールの研究機関A⋆STAR IMEとの国際連携も推進。2024年度には基本プロセスフローの決定と装置の選定を完了した。また、北海道千歳市のセイコーエプソン 千歳事業所内に、半導体後工程の研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions(RCS)」の設置も決定し、2024年10月から稼働の準備を行なっている。
今年度の計画・予算の承認により、前工程分野で設置完了した製造装置によって、4月からパイロットラインを立ち上げる。今後、300mmウェハへの2nm GAA(ゲートオールアラウンド)トランジスタ試作開発を進め、先行顧客向けにPDK(Process Design Kit)をリリースし、顧客によるプロトタイピングが開始できる環境を整える。
後工程の分野では今年度、RCSにおいて4月から製造装置導入を開始し、量産化技術確立のためのパイロットライン構築を行なう。また、RDL(Redistribution Layer)インターポーザ開発、3Dパッケージ技術、最新の後工程技術に対応したADK(Assembly Design Kit)の構築推進、品質管理手法KGD(Known Good Die)の選別フローの開発も進める。