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アドビ、Illustrator高速化や新フォント「百千鳥」など

アドビは、「Adobe Illustrator」においてパフォーマンス強化や、日本語組版の品質を向上する新フォントなど新機能を搭載した。また、3Dコンテンツ作成ツール「Project Neo」のパブリックベータ版が公開されたほか、「Adobe Lightroom」にも新機能を搭載する。

Adobe Illustratorはパフォーマンスが強化され、リンクされたファイルの埋め込みが最大10倍速、画像の処理が最大5倍速になるなど、処理速度が大きく向上した。

新機能の「Retype」は、使いたいフォントを特定できる機能で、ラスター画像やアウトラインされたテキストで使われているフォントを特定し、類似のフォントを探索できる。

日本語組版の品質が向上し、日本語組版はすべて、日本の標準規格に沿った改善されたレイアウトになった。旧バージョンで組まれたレイアウトを更新するためのガイド付きエクスペリエンス「文字組み更新」も提供する。

新フォントとして「百千鳥(ももちどり)」も搭載。可変の仮想ボディとカラーグリフが特徴で、スライダーを使って簡単にフォントの形状を変更できる。さらにAdobe Fontsライブラリに数十種類の日本語フォントが追加され、合計1,300種類以上の日本語フォントが利用可能になる。

Project Neo

Project Neo は、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどの2Dデザインアプリを使用するデザイナー向けに開発された3Dコンテンツ作成ツール。立体的なデザインやグラフィックスなどの作成を容易にする。これまでプライベートベータ版が提供されていたが、パブリックベータ版として公開された。

また、新機能として2D SVGファイルの読み込み機能(Adobe Illustratorデスクトップ版と直接連携可能)や、日本語のサポート、百千鳥を含むAdobe Fontsライブラリの統合などが行なわれている。

Adobe Lightroom

Adobe Lightroomは新機能として、「アダプティブ プロファイル」と「人物を対象とした不要な要素の削除」を搭載。

アダプティブ プロファイルでは、AIモデルが写真を分析し、トーンとカラーを動的に調整。さらなる画像編集作業の起点となる高画質な画像を作成する。

人物を対象とした不要な要素の削除では、写真内の邪魔な人物を検出するだけでなく、人物を完全に削除することが可能で、撮影時に映り込んでしまった人物や、家族旅行の写真に写り込んだ人混みなどを削除できる。まずはAdobe Camera Rawで公開され、近日中にAdobe Lightroomでも利用可能になる予定。

また、Adobe Lightroom Classicでは、カメラのテザリング撮影中に、Lightroomからフォーカスポイントの選択が可能になる。ソニー、ニコン、キヤノンのカメラで利用可能。そのほか、デスクトップ版ではデュアルディスプレイに対応。一方のディスプレイで編集ビューを開き、もう一方のディスプレイでグリッドビューを開くなど、作業を効率化できる。