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Claude、ソース文書を限定した回答が得られる「Citations」

Anthropicは、AIモデル「Claude」の回答を指定したソース文書に基づかせる新しいAPI機能「Citations」(引用)を提供開始した。

Citationsは、Claudeが回答を生成する際に使用する文や文章の参照情報を提供することで、出力の検証可能性と信頼性を向上させる。Citationsは、Claude 3.5 SonnetとClaude 3.5 Haikuで利用可能で、Anthropic APIとGoogle CloudのVertex AIが対応する。

従来、開発者はClaudeにソース情報を含めるよう指示するために複雑なプロンプトを作成する必要があった。Citationsを使用すると、参照したいソース情報をコンテキストウィンドウに追加するだけで、Claudeが自動的にソースを引用するようになる。Anthropicの内部評価では、Citationsは再現精度が最大15%向上したという。

Citationsの主なユースケースは以下の通り。

  • ケースファイルなどの長いドキュメントの要約作成
  • 財務諸表などの大規模なドキュメントコーパス全体に対する質問への回答
  • 複数の製品マニュアルやFAQを参照して回答するサポートシステム

Citationsは、ユーザーが提供したソースドキュメントを文に分割して処理する。Claudeはクエリを分析し、提供された文とソース資料から回答を生成する。この際、引用されたテキストはソースドキュメントを参照することで、ハルシネーション(誤った回答)を最小限に抑える。

トムソン・ロイターの事例では、弁護士向けのより正確で包括的なAIアシスタントを構築できたという。また、Endexの例では、ハルシネーションの問題を削減したほか、複雑なプロンプトのエンジニアリングが不要になり、複雑な金融リサーチの精度が向上したとする。