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パナソニック、AI活用する「Panasonic Go」 Claude導入で10億人に“お役立ち”

CES 2025パナソニックブースの「Panasonic Go」

パナソニックは、CES 2025に出展し、グループCEOの楠見雄規氏がオープニングキーノートに登壇した。「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を使命として掲げ、AIを活用したグローバルな企業成長イニシアティブ「Panasonic Go」を発表した。

同社のCES 2025のテーマは「Well into the future」。掲げた使命の実現に向けて、新たな変革のうねりを起こしていくという思いを込めている。

新たに発表したPanasonic Goは、「AIを活用したビジネスへの変革を推進するグローバルな企業成長イニシアティブ(先駆的な取り組み)」と説明。これまで培ってきた知見や技術、ハードウェアを活かし、AI活用を広げることで競争力の高いビジネスへと変革していく。

これまでの同社のAIに関する取り組みは、約18万人の従業員に、業務効率化のためLLMによるAIアシスタントサービス「PX-AI」を導入したほか、製品やサービスでもAIを活用してきた。グループのAI活用拡大に向けたプラットフォーム開発などには、北米で100億米ドル以上の投資も行なっている。

オープニングキーノートに登壇したグループCEOの楠見雄規氏
CES 2025パナソニックブース

今回発表したPanasonic Goを推進するために、AI研究企業の米Anthropicと戦略的提携を締結。これにより、AnthropicのAIアシスタント「Claude」が活用できるようになる。

Claudeは推論能力、複雑なトピックに対する深い理解、自然な会話などを特徴としている。パナソニックグループが製品で接点を持つ10億人のユーザーに対して、Claudeの会話型AIなどで、パーソナライズされた“お役立ち”を提供可能にするという。

また、パナソニックグループ発のベンチャー「Panasonic Well」では、AIを活用した包括的なデジタルファミリーウェルネスサービス「Umi」を2025年より米国で開始。

Umiは、AIと専門家のコミュニティを統合したデジタルウェルネスサービスで、ウェルネスデータをそれぞれの家族に合わせた具体的な行動計画に落とし込む。健康的な習慣を築き、家族全員が同じ目標に向かって取り組めるようなウェルネスのルーチンを提供する。

このUmiに、パナソニックグループのコンシューマー向け製品・サービスとして初めてClaudeを搭載する予定。

今後は、Panasonic Goを推進するため、AI開発やプラットフォーム構築への投資やソフトウェア開発人材の育成を進めていく。2035年までには、AIを活用したハードウェアやソフトウェア、ソリューション事業をグループの売上比率を約30%に拡大することを目指す。

米国で開始するファミリーウェルネスサービス「Umi」

また、CES 2022で発表した長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」については、住宅向け全館空調システム「OASYS」を米国で1月7日(現地時間)に販売開始し、水素を活用したエネルギーソリューション「Panasonic HX」はドイツのオフィスビルで25年春より展開予定としている。

OASYSは、ルームエアコン、熱交換気ユニット、DCモーター換気扇を用いた搬送ファンで構成された米国発の全館空調システム。従来の空調方式に対して50%以上の省エネに貢献できるとする。テキサス州で販売を開始し、エリアは順次拡大予定。

住宅向け全館空調システム「OASYS」
OASYSの全館空調イメージ図
CES 2025 Keynote with Mr. Yuki Kusumi, group CEO Panasonic Holdings