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シャープ、ドライアイス代替の新たな蓄冷剤 液晶技術を応用

シャープは、冷凍輸送時の蓄冷材として活用できる「適温蓄冷材」の新製品を開発した。法人向けの販売を10月中旬より開始している。

新たに開発された適温蓄冷材は、融点が-22℃と-19℃で、サイズ違いを含め合計4種類をラインナップ。凍結に使用する設備や輸送の形態に応じて選べる。食品宅配事業者をはじめ、化学品などの低温輸送業者など、さまざまな業界で利用できるとする。

冷凍輸送の現場ではドライアイスが広く使用されているが、近年は原料となる液化炭酸ガスの不足などにより、夏場を中心に品薄となる傾向が続き、代替品へのニーズが高まっているという。

シャープが開発した蓄冷材料は、液晶材料の技術を応用。水を主成分としながら、複数の化合物を独自に配合、「-24℃~+28℃」間の、特定の温度を一定時間保てることが特徴。ドライアイスと異なり、再凍結させることで繰り返し使用できる。

今回新たに、-19℃の蓄冷材料が開発されており、すでに開発済みの-22℃と合わせて商品化された。-19℃の蓄冷材料は、冷凍食品の保冷に適する-18℃付近の温度に対応する商品。

また蓄冷剤を凍結させる際の温度について、従来の蓄冷剤は融点より10℃程度低い温度で凍結させる必要があったが、シャープの蓄冷剤は、-22℃の蓄冷材は-24℃以下で、-19℃は-20℃以下で凍結が可能。既存設備の有効活用や、凍結時の消費電力を削減できる。