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GPT-4o搭載“身につける”小型AIレコーダ「PLAUD NotePin」

Nicebuildは、GPT-4o搭載のポータブルボイスレコーダ「PLAUD NotePin(プラウドノートピン)」を10月23日から予約開始し、12月上旬より発売する。価格は28,600円。カラーはグレー、シルバー、パープルの3色展開。

同社では2023年6月にChatGPTを統合したAIボイスレコーダ「PLAUD Note」を発売。日本でもMakuake経由で先行販売され、2024年に入ってからはオンラインや量販店での販売も拡大している。PLAUD Noteは、スマホと連携するボイスレコーダ機能と、文字起こしや会話の要約、電話の通話の録音/書き起こしなどに対応し、マインドマップも作成できるなど、AIの力を活用した新たなデバイスとして注目を集めた。

PLAUD NotePinとPLAUD Note

新製品のPLAUD NotePinは、より小型化した「メモリーカプセル」として提案。リストバンドにつけたり、クリップ、ネックストラップ、マグネットピンなど「身につけるAIボイスレコーダ」的に活用できるようになった。

外形寸法は51×21×11mm、重量は25gで、内部にマグネットを搭載し、シャツに留めたりして利用できる。マイクは2MEMSマイク、ストレージは64GB。

ジャケットに止めたり、ネックストラップで首掛けなどに対応
強力なマグネットで固定する
リストバンドも付属

ワンタッチで、会議や講義、電話などの音声を録音し、文字起こしから要約マインドマップ作成まで対応。専用アプリ「PLAUD」を使って、59カ国以上の音声データを高精度に文字起こしできる。文字起こしはOpenAIの「Whisper」を活用しており、「GPT-4o」と連携することで、録音ファイルの要約をすぐに作成できるほか、内容をマインドマップに整理して提示できる。

そのため、会議やセミナー、商談などの概要をすぐに把握し、活用。日々の業務効率を大幅に向上できるという。

文字起こししたデータから要約を作成
要約からマインドマップを作成

文字起こしは59言語に対応し、話者識別や自動段落分けなどが可能。書き起こしのテキスト編集などにも対応する。

要約形式は、会議、通話、セミナー、商談、講義、インタビューなど21種類のテンプレートから選択できる。また、要約やマインドマップ生成は、GPT-4oに加えて、Anthropicの「Claude 3.5」も選択可能で、好みに合わせて使い分けられる。これらの操作はアプリ「PLAUD」とWebブラウザ経由で行なえる。

アプリ「PLAUD」では、「ASK AI」機能も搭載。録音された音声データ内の特定の会話や話題について、対話や検索が可能な機能で、必要なものを素早く見つけられる。発信者識別機能も備えているため、スピーカー(発話者)ラベルにより誰が何を言ったかを的確に追跡できるという。

ASK AI

ファイルや要約、文字起こしのシェアやエクスポート、Gmailなどとの連携にも対応する。

PLAUD NotePinが、無料で書き起こしできる時間は毎月300分(5時間)。それ以上使う場合は、年額12,000円(月額1,000円)の「プロプラン」への加入が必要となる。文字起こし時間が1,200分(20時間)に拡大するほか、プロフェッショナルテンプレートなどが追加される。なお、プロプランの1カ月契約の場合は月額1,980円。

バッテリー容量は270mAh。40日間のスタンバイと、20時間の連続録音に対応する。また、Appleの「探す(Find My)」ネットワークに対応し、デバイスの紛失を防ぐ。データ保護については、GDPR(EU一般データ保護規則)への準拠を予定するなど、厳重な管理を行なうとしている。

NotePinデバイスのほか、マグネットピン、クリップ、ネックストラップ、リストバンド、充電ドック、USB Type-C充電ケーブルなどが付属する。

PLAUD NotePinは、10月23日から予約を開始し、12月上旬から発売。また、ソフトバンクC&Sが日本国内における販売パートナーとなり、ソフトバンク銀座で「PLAUD NotePin」を展示・販売するほか、発売までの間、東京・二子玉川の「蔦屋家電+」、有楽町の「b8ta Tokyo – Yurakucho」などで体験できる環境を準備する。また、順次量販店やオンラインでの販売も展開していく。

PLAUD NotePin

“身につける”AI ソフトバンクとも連携へ

日本法人のPLAUD株式会社のジャパンカントリーマネージャーWatson Zhang氏によれば、'23年6月に発売したPLAUD Noteは、全世界で25万台以上が販売され、そのうち日本は約2割の5万人が利用するなど、PLAUD Noteが支持されている市場だという。

PLAUD株式会社 ジャパンカントリーマネージャー Watson Zhang氏

PLAUD Noteは「働き方改革」を目標とし、議事録の作成や会議の文字起こしなどの用途のほか、電話のボイスメモなど、主にデスクワーカーのニーズに答えるべく開発・販売されてきた。結果、ユーザー一人あたりの節約時間は年間260時間、削減された時間から算定した1人あたりの推定収入増を62万円と説明する。

また、PLAUD Noteの約2割が日本で購入されていることから、重要市場と位置づけ日本法人を立ち上げ。ソフトバンクC&Sなどのパートナーとも協力し、ビジネス拡大を図る。

一方、PLAUD Noteの発売後、多くの業種で使われることが分かったという。オンラインミーティングが多いリモートワーカーだけでなく、不動産業などでもミーティング内容を記録し、すぐに参照できることなどから問い合わせが多いという。そのため、外出などでも持ち運びやすく、身に付けやすい新形態として、PLAUD NotePinの開発に至った。

多機能なAIボイスレコーダとしての機能は、PLAUD NoteとPLAUD NotePinはほぼ同じ。PLAUD NoteではMagSafeでスマホの背面に吸着し、Bluetooth通信を使って電話を録音する機能を搭載しているが、その機能についてはPLAUD NotePinでは省かれている。一方、小型化し、リストバンドやネックストラップ、クリップなど“身に付けやすさ”を高めているのがPLAUD NotePinとなる。

こうした特徴を活かして、ニーズの高い、不動産販売関係者や教育、各業界のエンジニア、医師、クリエイティブワーカーなどへ、PLAUD NotePinの訴求を図っていく。法人での活用ルール等についてはパートナーと協力しながら検討していくという。

また、ソフトバンクC&Sとのパートナーシップにより、ソフトバンク店舗での販売も予定。アクティベーションコードの提供でのサブスク誘導などでも協力するほか、将来的には料金プランでの連携なども目指したいという。