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ペアーズ、マイナンバーカードで本人確認 撮影不要で即完了

エウレカは、恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs」(ペアーズ)において、マイナンバーカードのICチップの読み取りによるオンライン本人確認(eKYC)を開始した。より簡単で安全性が高い確認方法となり、従来の本人確認手法に加えて提供、選択肢を拡大する。

最大の特徴は、ペアーズのアプリ内で本人確認の作業が完結する点で、顔や書類の写真撮影も不要。場所を問わず本人確認の作業が行なえる。

また、従来の手法では本人確認が完了するまでに10分~1時間の確認時間が必要だったが、マイナンバーカードのICチップ読み取りでは即座に本人確認が完了する。

顔・書類の撮影不要で即時完了

利用の流れは大きく4つ。本人確認において「マイナンバーカード スキャン認証」を選択し、マイナンバーカードの署名用パスワードを入力。次にマイナンバーカードに記載の照合番号Bの情報(生年月日、有効期限、セキュリティコード)を入力する。スマートフォンにマイナンバーカードをかざしてICチップの情報を読み取ると、すぐに本人確認が完了する。

本人確認で「マイナンバーカード スキャン認証」を選択
署名用パスワードと照合番号Bの情報を入力した後、スマートフォンにマイナンバーカードをかざすイメージ
ICチップの読み取りが完了
即座に本人確認が完了する

ペアーズのアプリ内で完結し、公的書類や顔写真の撮影は不要。認証が完了すると本人確認バッジが取得できる。

ペアーズでは、マイナンバーカードを使った認証について、生年月日、性別、顔写真を公的データとして取得し、本人確認に利用する。カードに記載の照合番号Bの情報については、ICチップ内に格納されている顔写真データを利用するためにも入力が必要となる。生年月日の情報は、法律で義務付けられている確認のための使用で、18歳未満のアプリ利用を防ぐ目的で取得される。

一方、入力されたマイナンバーカードのパスワードは保存せず、「マイナンバー(個人番号)」も一切使用しない。

ペアーズアプリ内のICチップ読み取り機能は、マイナンバーカードのICチップ読み取りによる公的個人認証サービス(JPKI)を利用した、オンライン本人確認(eKYC)。ポケットサインの本人確認サービス「PocketSign Verify」を採用しており、アプリ内で操作が完結する仕様を実現した。ポケットサインは公的個人認証法における「主務大臣認定」を取得しており、国のデータに直接アクセス可能。プラットフォーム事業者として、サービスプロバイダー事業者のエウレカと連携する形になる。

ポケットサインの本人確認サービス「PocketSign Verify」を採用
ポケットサインは公的個人認証法における「主務大臣認定」を取得
ペアーズにおける認証の流れ

安全で簡単なマイナンバーカードのICチップ認証

ペアーズでは本人確認の強化や悪質利用者の排除について、自動モニタリングによる検知や、AIと目視による確認を実施するなどテクノロジーを活用した対策を強化しており、従来の本人確認の手法を含めて、すでに強固な確認を行なってきたという立場。

テクノロジーを活用した対策

一方で、「マイナンバーカード スキャン認証」は顔写真や本人確認書類の写真撮影が不要で、アプリ内の操作だけで完結し、認証に使うICチップは偽造が困難など、簡便性と安全性のどちらでもメリットは大きい。サービスには必要ないマイナンバー(個人番号)は使用せず、パスワードは保存しないなど、一般に懸念される事項にも配慮した。

ユーザー・事業者の双方にメリット
マイナンバー(個人番号)は使用せず、パスワードは保存されない

導入した背景として、マイナンバーカードの発行枚数が拡大し、普及し始めていることや、デジタル庁がさまざまなサポート体制を整えていること、河野太郎デジタル大臣が6月18日の会見でマッチングアプリ事業者にICチップの公的個人認証サービスの活用を働きかけたことなどが挙げられている。

マイナンバーカードの発行枚数の拡大が背景にあるとした

エウレカ 代表取締役CEOの山本竜馬氏は、「ICチップを使った認証の導入は、大きな進歩と捉えている。安全性を強化する大きな取り組み」と、技術と安全性の両面で進化した認証方法と位置づける。従来の確認手法も選択肢のひとつとして継続提供し、一本化はしない方針だが、「ユーザーにとっても我々にとっても一番安全で簡単なのがマイナンバーカードの認証。なるべく使ってほしいし、推進していく」(山本氏)としている。

左からエウレカ シニアプロダクトマネージャーの高山善光氏、エウレカ 代表取締役CEOの山本竜馬氏、ポケットサイン 代表取締役CEO/COOの梅本滉嗣氏