ニュース

スキマバイト「タイミー」上場 今後も「タイミーで働く」と小川代表

タイミー代表取締役CEO 小川 嶺氏

スキマバイトサービスのタイミーは26日、東京証券取引所グロース市場へ新規上場した。代表取締役の小川 嶺氏が競合優位性や新規事業展開について説明するとともに、「今後もタイミーで(ワーカーとして)働く」と宣言した。

タイミーは、働きたい人と企業をマッチングする「スキマバイト」サービスのトップ企業。小川代表はタイミーを学生時代の20歳で創業し、27歳での上場となる。

人手不足が深刻化する中で、働きやすいサービスとしてユーザーを770万人まで拡大してきたタイミーだが、「市場を前提にしたわけではなく、『こんなサービスがほしい』と思って、ものづくりの精神で作り上げてきた」と説明。様々なバイトをする中で、「生活費のためにすぐお金が欲しかった」「すぐ働きたい」「バイト先でも感謝される」といった体験を目指した結果が今のタイミーにつながった。既存の求人媒体と異なり、「働き方に寄り添うサービスのど真ん中がタイミー」とする。

メルカリやリクルートなど、スキマバイト市場への参入も相次いでいるが、タイミーの強みは「マッチング」で、「人が集まらないと意味がない」と説明。88%という高い稼働率(募集に対して実際にワーカーが働いた割合)とともに、評価制度の充実、エリアごとのサポート体制の充実などが重要とし、(メルカリがアピールする)「アプリダウンロード数は意味がない」とする。

タイミーが上場で狙うのは、業種の拡大やエリア展開の強化による「圧倒的なナンバーワン」だ。後続企業も市場参入できるが、スキマバイトサービスではマッチング以外に労務管理も重要で、「参入障壁」になる。

例えば1企業内で年間30万円を超えると、給与支払報告書の提出が必要になり、50万円を超えると源泉徴収票の作成やマイナンバー回収が必要となる。そのためタイミーは、1企業内で年間30万円以上は働けない「30万円ブロック」を設けている。また、月8.8万円を超えると社保加入も必要となるので、月8.8万円未満に抑える必要がある。

こうした「ブロック」機能などで安心して使えるのがタイミーの特徴であり、たとえ後続企業が入ってきても、「名寄せ」してこれらの条件を超えないか確認する必要が出てくる。そのため、1企業で複数のスキマバイトを導入するケースは少なく、「圧倒的にナンバーワン」になることが重要とする。

業種別では現在、物流、飲食、小売の「3大産業」が軸となっているが、今後は業種も拡大していく予定で、現在伸びているのは「観光」。競合が増えるなかでの手数料競争については、「これまでも競争はあったが、その中でも30%の手数料をキープしながら事業成長したことはしっかり価値を提供できているということ。値段を下げるよりは、自分たちにしか出せないバリューを出していく」とした。

今後はスキマバイト事業だけでなく、ローンなどの金融サービスについても中長期戦略のひとつとして検討していく。「給与デジタル払い」についても、「親和性は高いと思っている。基本的なリサーチをしている段階。トレンドを見ていく」(八木智昭CFO)とする。また、最低賃金の上昇については、「基本的にはビジネスにプラス。ただし、企業側のコストが上がっていくことになるので、しっかりWinWinになるような形でマネジメントしていきたい」(八木CFO)という。

小川代表は、現状の「タイミー」アプリを、「自分としては60点ぐらい。リロード時間とか出勤の方法とかはかなり良くなった。ただ、足りない点としては、アルバイトとタイミーの違いは『バイト友達』と思っている。タイミーは、一回一回の体験で、『友だちを作りたくない』『しがらみを作りたくない』というところもメリット。ただ、いやらしくない形で繋がれないかと考えている。『帰属意識』みたいなものがあるほうが働きやすい。そういうコミュニティ機能をつくっていきたい」と語った。

今も年に2回は実際にタイミーで働いているという小川代表。直近は東京ドームで働いたとのことだが、「上場後もタイミーで働くか? 」との問には、「ここから5年ぐらいは働く。ここで宣言したい。いろいろな現場体験を積んで、クリアな戦略を出していきたい」と語った。

小川代表のインタビューは別記事で紹介している。