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「Claude 3.5 Sonnet」登場 上位モデルより賢く速い
2024年6月21日 00:29
Anthropicは20日、AIモデル/チャットサービス「Claude(クロード)」の最新モデルとなる「Claude 3.5 Sonnet」を発表した。
3月に提供開始した「Claude 3」は、処理・理解能力の高さが特徴のAIモデル。Claude 3では、能力順に「Opus」「Sonnet」「Haiku」の3つのモデルが用意されてるが、中位モデルの「Sonnet」で先行して「Claude 3.5 Sonnet」という新モデルが追加される。中位モデルだが、上位のOpusやOpen AIのGPT-4oを超える性能を持つという。
Claude 3.5 Sonnetは、Claude.aiのWebとClaude iOSアプリで無料で利用可能で、有料のClaude Pro(20ドル)やTeamプランの契約者は、大幅に高いレート制限でアクセス可能。Anthropic API、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIからも利用できる。
Claude 3.5 Sonnetは、Claude 3の最上位モデルOpusの2倍の速度で動作。パフォーマンスの向上と費用対効果の高い価格設定で、コンテキストに応じたカスタマーサポートや複数ステップのワークフローの編成などの複雑なタスクに適しているとする。同モデルのコストは、入力トークン100万個あたり3ドル、出力トークン100万個あたり15ドルで、200Kトークンコンテキストウィンドウが設定されている。
コーディングやビジョンベンチマークにおいてもClaude 3 Opusを上回っているという。不完全な画像からテキストだけを正確に抽出することも可能で、画像、グラフィック、イラストなどからより多くのインサイトを得られるとする。
また、新機能として「Artifacts」を発表した。Claude.aiのWeb上で、Claudeにコードや、テキスト、ウェブサイトデザインなどのコンテンツの生成を依頼すると、これらのコンテンツのプレビュー(Artifacts)が会話と一緒に専用ウィンドウに表示される。ユーザーはリアルタイムでClaudeによる創作物を確認・編集しながら、プロジェクトやワークフローに統合できるという。
この機能は、「ClaudeがチャットAIから共同作業環境へと進化することを示す」としており、チームコラボレーションでの活用を想定し、チームのためのナレッジやドキュメント、進行中の作業のためのワークスペースとして強化する。
今後のClaude 3.5モデルファミリーは、2024年の後半にClaude 3.5 HaikuとOpusをリリース予定。モデルの向上のほか、エンタープライズアプリケーションとの統合などにも取り組んでいく。