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パナソニック、炊飯器不要の新キッチン 狭小LDKに対応
2023年12月4日 16:06
パナソニック ハウジングソリューションズは、住宅面積の縮小化に対応した、炊飯器不要のハイパフォーマンスなキッチン「ラクシーナ II型対面プラン」を、12月より提供する。価格は195万円~。新築戸建、マンションリフォームいずれにも対応する。
物価高騰下における住宅購入ニーズを考慮した、新たなキッチン空間。キッチンスペースに、ダイニングスペースの一部を埋め込んだ。従来、調理・片付け中心であったキッチン(モノ)視点から、配膳・食事を含めたダイニング・キッチン(空間)視点へ、考え方を刷新する。
II型対面プランでは、従来の一般的なI型対面プランにおけるカップボード部分を縮小した。幅1,350mmのキッチン横にダイニングテーブルを横付けするレイアウトで、約1坪(3.3m2)の面積が削減され、リビングにゆとり空間を創出。また、キッチンとダイニングが近くなるため、調理から片付けまでコンパクトな動線を実現する。
炊飯機能を搭載した「ワイドコンロ」
基本構成では、3口横並びの「ワイドコンロ」、きれいが長続きする「ラクするーシンク」、シンクが調理スペースになる「スラくるネット」を搭載。
ワイドコンロは累計16万台出荷の人気コンロで、同社独自設計を採用。段差が少なく、コンロ手前も調理スペースとして使用できる。コンロ自体に炊飯機能と湯沸かし機能を搭載し、調理家電を置くスペースも節約。
炊飯器を置かない前提のキッチンとなっており、後部のカップボード側キッチンは吊戸を低めに設置可能。収納量を担保でき、別途食器棚やカップボードが不要としている。
従来のカップボードは、蒸気が出る炊飯器や電気ポットを置くことを想定していたため、食器が割れないよう吊戸は高めの位置に設置されていた。今回、ワイドコンロに炊飯機能を搭載したことにより、カップボードに炊飯器を置く必要がなく蒸気が出ないため、吊戸を低く設置できるようになった。
なお、炊飯器を置く可能性がある場合は、吊戸を高く設計するか、炊飯時のみコンロ側に炊飯器を置いて炊くことを推奨している。
シンクはカップボード側にあり、同社独自の「スゴピカ素材」を使用。撥水・撥油成分が練り込まれており、掃除が簡単で性能が長続きする。広々としたサイズ感で、柄の長いフライパンやホットプレートも無理なく入る設計。作業スペースとして使えるスラくるネットは、裏返すと水切りカゴになる。
住宅面積は縮小傾向
開発背景として、近年の建築資材価格高騰、不動産価格高騰などにより、住宅面積が縮小化傾向にあることを挙げている。2010年から2023年で住宅不動産指数は1.3倍になっているが、直近5年間の平均年収はほぼ横ばい、2012年から2022年の10年間で注文住宅の住宅面積平均は約10m2(3坪)も減少している。
同社調査によると、住宅取得時やリフォーム時に、購入価格を予算内に収めるために、妥協しても良いと思う点として40%の人が「空間の広さ」と回答。ただし、LDK空間においては「リビングは広くゆとりがほしい(76%)」という回答が多く、リビングはスペースを確保したいというニーズがあった。
また、理想のLDK空間について調査すると、全体の84%が対面プランキッチンを選択。そのうち40%はII型対面プランが理想と回答した。「II型対面のニーズが高いというのは正直私たちにとっても意外でした」と担当者は話す。
そうした背景から、空間の有効活用、家事動線の短縮、ダイニング・キッチン面積抑制の3つの視点で、今回のII型対面プランのキッチン空間を提案。空間を有効活用でき、空いたスペースはリビングにするほか、インナーテラスにするなどライフスタイルに合わせてアレンジすることもできる。