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アドビ、IllustratorにもジェネレーティブAI

アドビは、Adobe IllustratorでジェネレーティブAI機能「Adobe Firefly」が利用可能になるなど、Adobe Creative Cloudに実装される新機能を発表した。

Fireflyは、商用利用に特化した画像生成を前提とした設計のジェネレーティブAI。Adobe Stockが収録する3億以上の画像や、オープンライセンス、著作権が失効したパブリックドメイン画像などでトレーニングを行なっており、出力した画像は商用利用が可能。単体のアプリケーションとしてリリースされる予定はなく、Adobe Creative Cloudのアプリケーション等に統合されて使用可能になる。

また、生成した画像はコンテンツクレデンシャル機能により、画像の出展や使用アプリ、編集履歴などを閲覧できるようになっている。

5月にはPhotoshopのベータ版にFireflyを使った「生成塗りつぶし」機能を搭載。写真に写り込んでいない場所の画像を生成でき、テキストプロンプトを入力すれば、生成したいオブジェクトや雰囲気なども指定して生成できる。

縦長の画像の両サイドに画像を生成するデモ
既存の画像に選択範囲を被せるのがコツ
本来ないはずの画像が生成された
上部の空白に画像を生成するデモ
テキストプロンプトで日差しと春の木を生成するよう入力した画像

今回、新たにIllustrator(Beta版)に、Fireflyを利用した「Generative Recolor(ジェネレーティブリカラー)」機能を搭載した。当初は英語版のみの対応で、日本語版へは後日提供予定。

ジェネレーティブリカラー機能では、作成済のデータに、AIを使ってさまざまなカラーバリエーションを生成できる。あらかじめ用意されたサンプルプロンプトを選ぶだけで、イメージを一新できるほか、テキストプロンプトから具体的なイメージを入力して色を変更することも可能。特定の色を指定して「差し色」として追加することもできる。

サンプルプロンプトから簡単に色味を指定することが可能
プロンプトでイメージしている色を入力することもできる

アウトライン化された文字から自動的に似たようなフォントを探してくれる機能「ReType(Beta版)」も搭載。従来、アウトライン化された文字を後から別の文字に修正したい場合、アウトライン化される前のフォントを探して加工する必要があったが、フォントを探す手間を削減できる。サンプル画像の文字から、似たようなフォントを探してもらうことも可能。

その他、書き出し機能で「WebP」フォーマットもサポートした。

アウトライン化されたフォントから似ているフォントを自動で探してくれる
画像から似ているフォントを探すことも可能

Adobe Lightroomにも新機能が搭載。Lightroom Mobileでは、スマホのカメラロールに直接アクセスして編集が可能になる機能を搭載。iCloudやAndroidのギャラリーから写真やビデオに直接アクセスし、編集したい画像を素早く選んで作業ができる。編集した画像はLightroomのCloudのストレージに保存される。Lightroom/Lightroom Classicでは、トーンカーブで彩度の調整が可能になったほか、マスキング機能では粒子の調整ができるようになり、ピンボケや無地の背景に粒子を追加することができる。

また、オールインワンのコンテンツ制作アプリ「Adobe Express」のパブリックベータ版も公開。Expressは、簡単な操作でSNS投稿や動画、画像、PDF、チラシ、ロゴの作成などが可能なアプリ。Fireflyの機能も搭載し、「テキストで画像作成」や「テキスト効果」などのAI機能により、言葉で説明するだけでデザインが可能になる。