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国内初の「オール顔認証マンション」 鍵を持たずに外出できる
2023年5月15日 18:54
プロパティエージェントは、同社が開発した分譲マンション「ヴァースクレイシア IDZ 板橋本町アーバンレジデンス」(東京都板橋区)に、三菱地所の総合スマートホームサービス「HOMETACT」を導入。これにより顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」が導入され、共用部から玄関鍵まで、顔認証での解錠が可能となる。同物件においてメディア向け体験会が実施された。
HOMETACTは三菱地所による、スマホアプリやスマートスピーカーを使って住設機器・家電などをまとめて操作・管理できる総合スマートホームサービス。IoT機器・住設機器とのAPI連携により、1つのアプリおよびスマートスピーカーでエアコンやテレビ、照明、カーテンといった複数メーカーのIoT機器をコントロールできる。
三菱地所では、IoT機器を提供するメーカーなどを束ねたプラットフォームとなるHOMETACTを、自社物件に導入するほか、他のデベロッパー等へ提供することにも取り組んでおり、同物件は外販第1号となる。
また'22年11月にはHOMETACTとDXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD」が連携。顔認証によるエントランスや玄関などの解錠を可能としている。なおDXYZはプロパティエージェントの子会社。
同物件で顔認証を利用するシーンは、エントランスのオートロック、宅配ボックス・メールボックス、エレベーター、各住戸の玄関。
エントランスでは、マスクを着用した状態での顔認証に対応。両手に荷物を持っている際にも鍵を探して取り出す必要がなくなるほか、ゴミ捨てなどで外に出た際に鍵を忘れて入れなくなってしまうといったトラブルも防げる。
宅配ボックス・メールボックスは、顔認証で該当者の宅配ボックスやメールボックスが解錠できる。これにより、荷物の取り違えもなく、安心・確実に自分宛ての荷物を受け取れる。
エレベーターも顔認証でセキュリティーを解除。行先階のボタンを押すことなく、自動で自宅階のボタンが押された状態になることも特徴とする。
各住戸の顔認証では、マスクを着用している場合は解錠できない。これにより、エントランスよりも高いセキュリティを保つ。
認証用の顔の画像はスマホから登録。スマホを持たない子どもなどの顔を親のスマホを使って登録した場合は、子どもの入室などを親がスマホで確認することもできる。また、友人の顔を登録して時間限定で有効にすることもでき、鍵を貸し出すような使い方もできる。これにより、来訪時の鍵の受け渡しや在宅が不要となる。
FreeiDで登録した顔を、マンションの中だけではなく、外で活用できる点も特徴。例えば、東京タワーのesportsパーク「RED゜TOKYO TOWER」ではFreeiDを入場サービスに導入しており、入居者はRED゜TOKYO TOWERの顔認証を利用するために改めて顔を登録する必要がなくなる。
こういった連携について、DXYZ 取締役社長 木村晋太郎氏は、「顔認証による入退場や決済は広がり始めているものの、利用する場所やサービスごとに顔を登録するという手間が、普及を妨げている。FreeiDは1度の顔登録で様々なエンジン・サービスを繋げることができるプラットフォームで、オプトインにより自分が利用したい場所で顔認証を使ったサービスを利用できる」と説明した。
なお、同物件ではシリンダーキーも設置することで、停電などで顔認証のシステム等が使えなくなった場合でも解錠できる仕組みを用意する。そのほか、顔の登録を行ないたくない人に向け、カードキーの発行にも対応している。
今後は、三菱地所レジデンスが開発・管理する「(仮称)ザ・パークハビオ 新栄」(愛知県名古屋市)へのFreeiD導入を予定している。