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圧倒的な質感、G-SHOCK“深層硬化ステンレス”の見どころ

「G-SHOCK」40周年記念モデル 第3弾 リクリスタライズド シリーズ

カシオ計算機は、「G-SHOCK」40周年記念モデルの第3弾として、ステンレスパーツに深層硬化処理を施し独特の質感を出した「RECRYSTALLIZED SERIES」(リクリスタライズド シリーズ)を発表、3製品を4月21日発売する。カシオは本モデルについて発表会を開催、担当者から見どころが語られた。

フルメタルの「GMW-B5000PS」「GMW-B5000PG」は121,000円、尾錠など一部に硬化ステンレスを使う「DW-5040PG」は38,500円。

オリジン“5000番台”に現代の開発を加えた進化

まず、リクリスタライズド シリーズのベースモデルについて。フルメタルの2機種は「GMW-B5000D」を、樹脂ケース・バンドのモデルは初号機「DW-5000C」を復刻したモデルになり、いずれも初号機から受け継がれる“5000番台”として、オリジナルのデザインを色濃く継承したデザインやサイズ感になっている。

今回はさらに40周年の記念モデルであり、誕生月でもある4月に発売される機種とあって、オリジンに現代解釈を加えるというコンセプトが一層明確に打ち出されている。

独自技術として開発した硬化処理は、「MR-G」のチタン素材に対して採用している技術。ステンレスに対しては量産化が難しいと思われていたが、開発を諦めなかったという。

この表面硬化技術は、ベースとなるステレンス材に対して数百度の熱を加える再結晶化処理を施し、次に炭素ガスを浸透させる深層硬化処理を行ない、最後にステンレスカラーのモデルはTiC処理を、ゴールドカラーはIP処理を行なって仕上げる。

表面の模様を決定づける再結晶化処理については、前処理の有無で結晶の見た目がまったく異なることから、予め鏡面仕上げを施すなど、実際の工程は非常に多いという。またステレンス材の厚さや形状が違っても柄が異ることから、一定に保つのにも苦労したとのこと。処理時の治具も専用に開発されるなど、試行錯誤を経て量産化に至っている。

硬度については「従来のステンレスの3倍」と公表されているが、これはMR-Gで採用しているチタン素材に近いレベルになっているという。ステンレスに深層硬化処理を施すのは腕時計では初めてとするものの、ほかの分野では、例えば産業用マシンの内部パーツや、自動車のエンジンの部品などで、パーツの硬度を上げるために用いられている技術とのこと。カシオでは、再結晶化処理と合わせて、見た目の独自性と高い性能を両立させる技術として確立した。

樹脂ケース・バンドを採用する「DW-5040PG」は“5000番台”として見慣れたデザインだが、液晶はメッシュパターンが施され金属感が演出されているほか、側面から見えるボタンやビスがゴールドIPで、こちらも特別な仕上げになっている。

樹脂パーツはG-SHOCK用に開発したバイオマスプラスチックを全面的に採用、パッケージも再生紙を多用するなど、次代を担うコンセプトもしっかりと取り入れている。

手にとって見てみると

フルメタルモデルの「GMW-B5000PS」「GMW-B5000PG」を実際に手にしてみると、再結晶化処理が施された表面は無骨さと同時に“緻密さ”も感じられる仕上がり。基本的にマットな仕上げであるものの、遠くから見ても近くで見ても、独自の雰囲気が溢れ出ているのが印象的だ。ブレスレットやバックルのパーツにも再結晶化処理と深層硬化処理が施されており、どんな角度で見ても存在感は抜群と感じられた。

GMW-B5000PS

GMW-B5000PG

樹脂ケースモデルの「DW-5040PG」は、液晶面の金属感の出る処理が印象的で、ひと味違う雰囲気。ゴールドのボタンも記念モデルらしいプレミアム感のあるアクセントになっている。軽く、比較的小さく、腕なじみが良いという、G-SHOCKのプリミティブな魅力がしっかりと継承されている。

DW-5040PG