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Google、次世代のプライバシー保護環境 Androidでベータ版開始

Googleは、「プライバシー サンドボックス」と名付けた新しいプライバシー保護環境をAndroidにも提供する。最新のAndroid 13を搭載する一部のスマートフォンにベータ版が提供され、順次拡大していく予定。WebブラウザのChromeでも進められている新しいプライバシー保護の取り組みが、Androidにも導入される形。

Androidに展開されるプライバシー サンドボックスでは、新しいAPIが提供され、ユーザーのアプリやWebサイトでの活動を追跡できるような識別子(広告IDなど)を使用しない環境になる。

プライバシー サンドボックスのベータ版に参加するアプリは、これらの新しいAPIを使用して関連する広告を表示できるようになり、効果測定も行なえる。

Androidの設定画面にはプライバシー サンドボックスの項目が用意され、ここでユーザーの「興味」を管理可能。推定されている一覧からは、興味のないものをブロックすることもできる。

Androidに用意されるプライバシー サンドボックスの設定画面

コンピューターのセキュリティ技術において一般に、サンドボックスとは外部から隔離された安全な環境を指し、「プライバシー サンドボックス」は、プライバシーに関して外部からの追跡を制限したり漏出を防いだりする目的で構築される仕組み。グーグルはすでにWebブラウザのChromeで同様の取り組みを推進しており、将来的にCookieを廃止する方針もその一環。

広告を表示する仕組みをベースとして、アプリやWebサイトをまたいでユーザーの行動を追跡する仕組みは近年、プライバシー保護の観点から問題視されている。一方でGoogleは、無料サービスの提供者が適切な広告収入を得られる代替手段なしに規制すると、ユーザーを追跡する手段が“地下化”し、状況は悪化するとも指摘、業界と連携しながら慎重な取り組みを続けている。プライバシー サンドボックスは技術検証への参加を募っており、広告関連会社だけでなくサムスン電子や日本のヤフーなども参画している。