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メルペイ、最大4%還元のクレカ「メルカード」
2022年11月8日 14:24
メルペイは、メルカリの利用実績で限度額が決まるクレジットカード「メルカード」を11月8日から開始する。メルカードと「メルペイスマート払い」の利用でメルカリで最大4%のポイント還元も開始する。
メルカードは、メルカリグループ初のクレジットカード。本人確認を完了していれば、メルカリアプリから最短1分で申し込みが完了し、国内外約3,900万カ所のJCB加盟店で利用できる。利用時の即時通知や利用履歴の確認などもメルカリアプリ内で完結し、支払日や支払い方法も選択できる。
メルカードの開始にあわせて、フリマアプリ「メルカリ」において常時1%のポイント還元を開始する。
メルカードの還元率は、メルカリでの購入は最大4%(1~4%)で、お店での購入は常時1%。さらに毎月8日はメルカードとメルペイスマート払いの還元率が+8%となる(上限300ポイント)。ポイント付与上限はメルカリ上は半年ごとに3万ポイント、メルカリ以外は上限なし。ポイント有効期限は付与日から1年間。
国際ブランドはJCB。利用限度額は最大50万円。年齢や職業などの属性ではなく、メルカリの利用実績などをもとに限度額や還元率が変化するなど、独自の与信による新しいクレジットカード体験として展開する。メルカードのほか、メルペイ(コード決済/オンライン)やiDの支払い、カードチャージなどメルペイ関連の利用履歴などはメルカリアプリ上で確認できる。
カードはタッチ決済(NFC Type-A/B)に対応。カード券面はナンバーレスで、カード番号はアプリ上で確認する。デザインについては、「生活スタイルや価値観に寄り添う、空間の邪魔にならない表現を目指した(メルペイ 執行役員 CPO 成澤真由美氏)」としており、ナンバーレス化だけでなく、通常は「赤」のメルカリロゴもホログラムとし、ICチップも小さなものを採用している。カードの素材は再生プラスチック85.5%で、カード1枚あたり8.5%のCO2削減につながる「地球にやさしいサステナブルなカード」をアピールしている。
精算方法は、メルカリの売上金などの「メルペイ残高」、コンビニ・ATM、銀行口座自動引落、キャンペーンで取得したポイントなどから選択可能。清算期間は商品購入した月の翌月1日以降好きなタイミングで選べる。手数料は翌月払いの場合は無料、定額払いの場合は年率15.0%となる。
なお、メルカードは、Apple PayやGoogle Payのウォレット登録には対応しておらず、バーチャルカードも発行しない。メルカリ/メルペイでは、すでにMastercardブランドのバーチャルカードを展開しており、この上で「メルペイスマート払い」によるあと払いを実現している。そのため、即日発行するバーチャルカードはMastercardブランドで、メルカードはJCBという違いがあり、両者は別に管理される。ただし、利用履歴などはメルカリアプリ上で一気通貫で確認できる。
メルカードは、申込後最短4日で手元に届き、アプリで有効化することで利用可能になる。8日から申込みがスタートし、メルカリアプリ利用者に段階的に開放していく。なお、20歳未満は利用できず、契約には審査がある。
なお、カードにはキャッシングの機能はなく、借り入れはメルペイスマートマネーの利用を薦める形になる。
メルカード提供開始を記念して、入会&初期設定で1,000ポイント付与や支払金額の25%還元などのキャンペーンも予定している。
また、今後はさまざまなパートナーと連携予定。例えばダイソーでは、メルカリで誰かに売るときにお得に梱包資材を購入できるほか、Appleでは旧製品をメルカリで売るとお得に新製品を購入できる、といった仕組みの構築を狙う。ヤマダ電機では、要らなくなったものをお店で回収やメルカリで誰かに譲るとお得に新品が購入できるサービスなどを検討していく。
メルカードが“いま”必要な理由
2019年にスタートしたメルペイは、コード決済、iD、バーチャルカード、ネット決済などの様々なインターフェイスを持つ決済サービスになっており、4,800万人が使う「メルカリ」の売上金を様々な場所で使えるサービスとなっている。
メルカードは、ここにクレジットカードを加えることで、よりメルペイが使える環境を拡大していく狙いがある。また、メルカリでは1,216万人が「本人確認済み」となっており、メルカリ上でFintechサービスを開始するにあたり、簡単に申し込めるようになっている。メルカリグループ日本事業責任者の青柳直樹氏は、「この本人確認が最大の競争優位だ」と語る。
またメルペイの強みとして、メルカリの利用実績をもとにした独自の与信を活用したあと払いサービス「メルペイスマート払い」を実現。属性情報をもとにした与信だけではサービスを受けづらかった人を含め、より多くの人に与信サービスを提供することで新たな購買機会を作り出すという。その、コアとなる取り組みが「クレジットカード」だ。
メルカードでは、メルカリ/メルペイを使って「信用」を重ねることで、還元率がアップするのも特徴。詳細は明らかにしていないが、いろいろな箇所でメルペイを使う他、メルカリの出品も還元率判定の要素にしている。売る・買う・支払うの3つのアクションを還元率上昇のきっかけとすることで、メルカリの出品も促す効果を狙う。これが今回新たにメルカリにポイント還元を導入した狙いだ。
また、メルカリでの購入時も「売上金」だけでなく、他社のクレジットカードが使われるケースも多い。これを自社カードに置換えて内部化していくという狙いもある。詳細は明らかにしていないが、他社カード利用の割合は「決して小さくない」とのことで、「中期ではインパクトが出る(青柳氏)」とメルカリにおける収益面でもメルカードがプラスになるという。
なお、カードブランドがJCBになるのは、「すでにコード決済でもSmart Codeで協力している。また、メルカリユーザーの多くは日本での利用が想定されるため、日本国内で加盟店が多いJCBとした」(メルカリ 執行役員 CEO Fintechの山本真人氏)とのこと。
また、山本氏は、メルカードの位置付けについて、「iDやコード決済と同じ、支払いのチャネルとしてメルカードが追加される。どの支払い方をして選んでいただいてもよく、裏側の与信は共通になる」と説明。ユーザーが用途に合わせて選べる形とした。ただし、クレジットカードはより高額な決済で利用される傾向があるため、高額商品を購入しやすくするといった意味でもカードが必要になってくるという。
メルカードにあわせて、ポイント施策も強化し、メルカリでもポイントが1~4%付くようになった。山本氏は、この狙いについて「消費することにポイントを付与して囲い込むのではなく、出品など行動を促すためのもの。その方向性で寄付などの展開も考えている」と説明。PayPayポイントなど「共通ポイント」で、自社経済圏を拡大する動きもあるが、メルカリ/メルペイの中で「行動」につなげるためにポイントを使っていくという。
また、メルカリではビットコインの購入にも対応予定だが、まずはメルカリで資産運用できる環境を作る狙いという。青柳氏は、「メルペイでFundsと資産運用サービスを試験的に展開したが、非常にニーズが強い」としてこの暗号資産をきっかけに資産運用などの拡大を狙う。
さらに今後は「モノ」以外の信用・NFTなどのあらゆる資産が循環するエコシステムのために、ブロックチェーンの技術も必要となる。メルカリでは、同社のサービスとブロックチェーンの親和性が高いと考えており、基盤研究のためにも、ビットコインなどの暗号資産対応に取り組む。