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ローソン、陳列棚に「扉」で省エネ 電気使用を40%削減
2022年11月4日 20:05
ローソンは、冷蔵ショーケースへの扉設置や、太陽光発電導入などで、2013年度対比で電気使用量を40%、CO2排出量を55%削減する店舗を神奈川県川崎市にオープンした。1店舗あたり約100万円の年間電気料金削減を目指す。導入店舗の第1弾は、ローソン川崎中島三丁目店(神奈川県川崎市川崎区中島3-6-16)。
これまで各地で行なわれていた省エネルギーに関する取り組みを、初めて1店舗に統合して実現したもの。お弁当などが陳列される冷蔵ショーケースや、氷菓子などを陳列する冷凍平台ショーケースに扉を設置することで電力効率を高めることで約30%削減し、屋根には太陽光発電機を設置して、店舗で使われる電力の約15%を自然エネルギー利用とした。
冷蔵ショーケースなどに扉を取り付ける取り組みは、すでに試験的に他の6店舗で導入されていたが、商品を取りにくいという声よりも、外気に触れにくく清潔感が高いという好印象な声が多かったという。店員が陳列する際にも一手間増えることになるが、省エネルギー化の取り組みとしてやる価値はあると判断したそうだ。
また、冷蔵平台ショーケースは氷菓子専用とし、コロナ禍による冷凍食品需要で品数が大幅に増えた冷凍食品は冷凍リーチインケースで陳列する。
栄養ドリンクなどは従来、個別の冷蔵ショーケースで陳列されていたが、これを一般のドリンク用冷蔵ショーケースに統廃合することで、栄養ドリンク用の冷蔵ケースは廃止。そのぶん、一般のドリンクの陳列量は減ってしまうが、夏場にはホットドリンク用のショーケースを冷蔵に転用して陳列数を確保する。
ドリンクの冷蔵ケースも改良。ドリンクの冷蔵ケースには霜で商品が見えなくならないようにヒーターが仕込まれているが、これを最小限の電力に調整して省エネを実現。ケースの窓枠も細くすることで商品の見映えも向上させた。
電力消費量を見える化するエネルギーマネジメントシステム(EMS)も導入し、各所に設置したセンサーで店内外の環境を検知。設備をEMS経由で本社からも制御可能とし、今夏の節電要請時にも速やかに節電に協力できたという。
今後は同様の店舗を他の地域にも出店。2024年2月まで検証を行ない、2024年3月以降の新店標準化を目指す。また、既存店についても、2024年度以降の改装時に店内設備の導入を目指す。ローソンでは、店舗開業時の設備費用は本部負担だが、普及にはオーナー側の理解も重要になる。設備費用はこれまでよりも若干上がるが、太陽光発電による消費電力の低減などによるメリットを訴求していく方針。