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セブン・ファミマ・ローソン、共同配送で時間やCO2排出削減

セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、および流通経済研究所は、2月に実施した、大手コンビニ3社によるチェーン横断的な共同物流の実証実験に関する詳細な実証結果を発表した。走行時間や走行距離を削減でき、CO2排出量削減効果が期待できる結果となった。

内閣府戦略的イノベーション創造プログラム「スマート物流サービス」において実施された実証実験。店舗密度が都市部よりも低い地方部において、「コンビニの配送センター間の物流の共同化」と「遠隔地店舗(買い物困難地域)の配送の共同化」の実証実験を行なった。実施エリアは北海道の函館エリアで、期間は2月21日から1週間。

コンビニエンスストアの物流では、多くの在庫を持つ基幹センターと遠隔地にあるサテライトセンター間で商品の横持ち配送が行なわれている。実証実験では、コンビニの配送センター間の物流の共同化として、自社のセンター間でしか実施されてこなかったセンター間の横持ち配送を、チェーン横断的に実施した。

具体的には、セブン‐イレブンとファミリーマート、セブン‐イレブンとローソンの2つの組み合わせで、札幌近郊の基幹センターから、函館のサテライトセンターまでの横持ち配送の共同化の実証を実施。結果として、1便あたり、台数1台、距離175km(48%)、CO2排出量176kg・CO2(45%)、時間2.5時間(23%)の効果があることが分かったという。

新商品の発売タイミングなどでは物量の増加によって、既存のトラックでは運送力が不足し、チェーンごとにトラックを追加手配することがある。その場合など、実証実験のようにセンター間の横持ち物流の共同化を行なうことで、同様の削減効果が期待できるとしている。

遠隔地店舗(買い物困難地域)の配送の共同化については、物流効率があまり良くない遠隔地における店舗への商品配送の共同化の効果測定を行なった。

結果、函館南西エリアにおいて、コンビニ店舗配送の共同配送化を行なうことにより、チェーン毎に別々に配送する場合と比べて、配送距離の短縮、CO2排出量の削減、配送時間の短縮などの改善効果を確認できたという。

コンビニエンスストアは全国で約58,000店舗あり、駅前の商業施設や大学、病院など様々な施設に展開するほか、セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンは災害対策基本法に基づく指定公共機関にも指定されており、災害時においても重要な役割を果たすなど、社会インフラになっている。そのため、安定的に商品を供給するための物流網の維持・構築は重要であるとし、実証実験の結果も踏まえ、SDGsの視点も持ってコンビニ業界における新しい物流の形を、コンビニエンスストア各社と、サプライチェーンを構成するステークホルダー全体で検討する。