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パナソニックが「AI倫理原則」策定。家電やB2Bで適切なAIを

パナソニック ホールディングスは、AIの開発・運用・活用に向けて、自社サービスなどで遵守すべき「パナソニックグループのAI倫理原則」を策定した。AIを家電や住宅、自動車、B2Bソリューションなどで応用するにあたり、守るべき原則を定めている。

近年、家電や住宅などでAIを使ったサービスが増えている。一方で、AIの不適切使用による、差別の助長、プライバシーの侵害、安全性への不安など、AI倫理上の課題が社会問題となっている。経済協力開発機構(OECD)は国際的な政策ガイドラインを採択したほか、国内でも内閣府から「人間中心のAI社会原則」、経済産業省からは「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」が発行されている。

こうした社会動向を踏まえ、パナソニックグループのAI製品やサービスを信頼して使ってもらい、責任あるAI活用を実践するために、グループ全体で遵守すべきAI倫理原則を策定した。

AI倫理原則の概要は以下の通り。

  • 「より良いくらしとより良い社会」を実現すること
  • 安全のための設計、開発、検証を行うこと
  • 人権と公平性を尊重すること
  • 透明性と説明責任を重視すること
  • お客様のプライバシーを保護すること

このAI倫理原則をパナソニックグループ全体で実践するため、AI倫理委員会を設置。開発現場でのAI倫理リスクチェックや、グループ全従業員を対象としたAI倫理教育を推進していく。

パナソニックでは、家電製品ではエアコンやロボット掃除機、デジタルカメラ、介護支援などでAIを活用。モビリティでは、自動配送ロボットやサイバーセキュリティAI、B2Bでは顔認証ゲートや現場最適化(センシング、シミュレーション)などでAIを活用している。

こうしたAI活用において、利用者のくらし、社会・環境に与える影響を評価し続け、その結果を製品とサービスに反映していく。社内での浸透に向け、AI開発現場で、効率的なAI倫理リスクチェックを支援するシステムを開発。年内に本格運用を開始する。特にリスクが高いと判断された場合は、AI倫理委員会に通知し、レビューを行なう。

同社では、2019年からAI倫理に関する取り組みを進めており、グループ社員全員に対するAI倫理教育を実施。AI倫理原則は、AIの発展や社会の変化に合わせて改定していく。