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スマホ無しでスマートロック解錠「Qrio Pad」 カードキー活用
2021年11月18日 17:15
スマートロック「Qrio Lock」などを展開するQrioは、専用カードキーで玄関ドアを解錠できる「Qrio Pad」などの新製品を12月3日に発売する。11月18日から予約受付を開始し、Amazon.co.jpでは11月26日から先行販売を行なう。
Qrio Pad
Qrio Padは、ドアの外側に装着し、スマートフォンを使う玄関ドアの解施錠システム「Qrio Lock」(Q-SL2)と組み合わせて使う製品。Qrio Storeでの価格は22,000円。Qrio Lockは別売(25,300円)。Qrio LockとPadのセットは47,300円。
付属する専用のカードキー「Qrio Card」をQrio Padにかざすことで、スマートフォンアプリを使わずに、ドアの内側に取り付けているQrio Lockの解錠が可能。カードは財布の中に入れたままかざしても動作するとしている。暗証番号の入力でも解錠できるようになっており、オートロック設定中にカードキーやスマートフォンを持たずに出てしまい、意図せず締め出されてしまうことを防げるようになっている。
Qrio Pad本体は、工事不要で、Qrio Lock同様に粘着テープで取り付ける仕様。本体は防水仕様。リチウム電池(CR123A)2本で駆動し、予備の電池2本もセットできる。予備を含めた電池4本で1,040日の駆動が可能とする。大きさは160.5×56×44.1mm(縦×横×厚さ)、重さは約230g(電池2本含む)。
Qrio Card
「Qrio Card」は別売りでも提供され、家族に渡すなど複数枚を利用できる。別売りでは1枚2,200円。Qrio Cardの通信規格はFeliCaを応用した独自規格。FeliCaはカードキーとしての利用を想定した規格ではないため、コンシューマ向け製品ではセキュリティに配慮し独自規格とした。
Qrio Key S
「Qrio Key S」(Q-K2)は、スマートフォンを持たない子供や高齢者が利用することを想定して提供されている、Qrio Lock解施錠用リモコンキーの新型。価格は6,600円。
新たに、ボタンを押さなくても解錠できるハンズフリー解錠に対応する。これは“立ち止まり”を検知して解錠するもので、ポケットやカバンに入れたままでも、ドアの前で立ち止まればハンズフリーで解錠できる。解施錠用ボタンも搭載する。
Qrio Lock/Qrio Padに新色のブラウン
Qrio Lockと新発売のQrio Padには、外装をブラウンにしたバージョンもラインナップされる。ドアのデザインが多様化していることに対応するもの。なおQrio Padはどちらのカラーでも操作面はブラックのみとなる。
法人向けラインナップを追加
Qrio LockとQrio Padの組み合わせで、法人向け展開も行なう。製品の販売は2022年1月から。
スモールオフィス向けには鍵管理サービスを「カギカン 3.0」にリニューアルし、従業員の入退室や勤怠管理にも利用できるシステムとして提供する。同サービスは2021年12月から提供する。
マンション用、Qrio Lock R/Qrio Pad R
マンションオーナーや不動産会社向けには、大規模な工事が不要なシステムであることから、新築のほか既築向けとしても提供する。システムは「Roomon 2.0」として2022年2月から提供する。エントランスの自動ドア(オートロック)にも対応する。
マンション向けのハードウェアは、組付け型として少し仕様が異なり、「Qrio Lock R」「Qrio Pad R」として提供する。
Qrio Lock Rは、コンシューマ向けのように既存のサムターンを挟む仕組みではなく、サムターンの室内側パーツを取り外して組み付ける方法を採用している。
外側のQrio Pad Rもサムターンを覆い隠すような形になる。電源が電池駆動なのはコンシューマ向け製品と同様だが、電池が切れた場合の緊急用として、取り外せるカバーの内側に、角型のアルカリ乾電池(9V)を押し当てて給電できる接点を備えている。
Qrio Lock RとQrio Pad Rの組み合わせでは、Qrio Lockアプリ、Qrio Card、暗証番号、Qrio Hub経由での解施錠が可能。既存のサムターンの物理的な鍵も利用できる。カラーはブラックとブラウンがラインナップされる。
累計20万台出荷、法人・マンション向けも本格展開へ
Qrioはスマートロックの第1世代の製品を2015年に発売。2017年にソニーグループとなり、2018年には第2世代の製品を投入している。累計出荷台数は20万台を突破しており、売上やシェア、認知度もナンバー1とする。
11月18日に開催された発表会では、鍵を製造・販売するゴールと協業し、連携して建築業界で展開したり、ゴールのサービス拠点を活用したりする方針も明らかにされている。
Qrio 取締役 執行役員副社長の高橋諒氏は、QrioをIoTプラットフォームとして活用する構想も明らかにした。同社の強みはハードウェアとソフトウェアの両方で開発力があることとし、カギカンといった既存のソリューションだけでなく、例えばカメラやセンサーを組み合わせ、オフィスのセキュリティに不安を感じている企業にサービスを提供するといったことが考えられるという。