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吉野家の牛丼をドローンで配送。「空の産業革命」実証
2021年6月10日 19:33
エアロネクスト、ACCESS、吉野家、出前館は、出前館のアプリで注文された吉野家の牛丼弁当を、横須賀市立市民病院の医療従事者にオンデマンドでドローン配送する実証実験を6月10日に実施した。
神奈川県、横須賀市、横須賀市立市民病院、神奈川県立海洋科学高等学校の協力のもとで実施。2019年12月に神奈川県のドローン前提社会の実現に向けたモデル事業として採択された、エアロネクストの「ドローン物流定期ルートの開設に向けた実証実験」ならびに横須賀市の地域課題解決を目指した「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環としての取り組み。また2022年度の「空の産業革命 レベル4」解禁に向けて将来の食料品や医薬品のドローン定期配送を見据えた取り組みでもある。
飛行区間は横須賀市立石公園から横須賀市立市民病院。牛丼のたれのこぼれや中身の偏りなく、高い配送品質で届けられるかを実証した。
手順は、出前館のアプリで注文された吉野家の牛丼弁当を、吉野家のキッチンカー(オレンジドリーム号)で調理し、専用ボックスに格納。出前館の配達員によってドローン離陸地点(立石公園)まで搬送した。
配送された専用ボックスがドローンにセットされた後、ドローンは立石公園から離陸。海上4.5km、陸上0.7kmの合計約5.2kmの航路を約10分間飛行して横須賀市立市民病院屋上に着陸し、医療従事者に届けられた。
使用機体はエアロネクスト独自の機体構造設計技術「4D GRAVITY」を搭載し、飛行部と荷物搭載部が分離した構造の物流専用ドローン。自律制御システム研究所(ACSL)とエアロネクストの共同開発の最新の機体で、今回が初お披露目となる。
横須賀市立市民病院は新型コロナウイルス感染症の中等症患者を受け入れる「重点医療機関」に指定された病院。周辺に昼食場所も少なくて温かいランチを取りにくい環境であるとともに、今後のオンライン診療と医薬品配送の可能性も見据え、実証実験に協力した。
なお、空の産業革命レベル4とは、2020年7月に発表された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会による「空の産業革命に向けたロードマップ2020」で明記されている、2022年度を目標とした「有人地帯での補助者なし目視外飛行」の実現フェーズのこと。