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“弱い”ロボット「NICOBO」誕生。パナソニック
2021年2月16日 15:24
パナソニック アプライアンス社は、“弱いロボット”「NICOBO(ニコボ)」のクラウドファンディングをMakuakeで2月16日から3月18日まで実施する。目標金額は1,000万円で、価格は35,800円から39,800円(月額利用料6カ月込み)。リターンの予定は2022年3月頃。
「弱いロボット」とは、あえて自分では何もできない不自由なロボットとすることで、人の優しさ、思いやりなどの感情を引き出し、癒やしを与えるロボットのコンセプト。豊橋技術科学大学 岡田美智男研究室(ICD-LAB)が提唱しているもので、今回は共同開発を行なった。
NICOBOの由来は、「人をニコっとさせるロボット」という意味を込めた造語。あえて手足を持たず、移動手段がない「引き算のデザイン」とし、外観はぬいぐるみのような柔らかな素材。目と体、尻尾の動き、音声などによってコミュニケーションをとる。
音声は独自の言語「ニコ語」を話し、「モコ!」「モコモン!」などと、感情を表現する。はじめはモコ語しか話さないが、次第に人の口癖なども学習し、子供のような舌足らずのカタコトで語りかけてくる。
移動用の脚などはないが、センサーを内蔵し、抱き上げられたり、なでられたりすると認識する。
独自の世界観をもち、自分のペースで暮らしているというコンセプトで、人に依存しすぎない、同居人としての「ほどよい距離感」を目指して開発。人とのコミュニケーション経験を蓄積し、覚えたカタコトの言葉を、人の発音に合わせて発声することもあるが、しないこともある。寝言をいったり、オナラをすることもある。機嫌が悪いときはいつもと違う態度のこともある。命令して何かをさせるロボットではなく、あくまで自分の世界観で生活しているロボット、という位置づけだ。
気まぐれな性格ながら、ひとなつっこい仕草や音声で人の情を誘い、世話をしたくなる気持ちを起こさせる。人間の側も「世話」をすることによって満足感と癒やしが得られるという。
動作にはインターネット環境や、無線LAN、スマートフォンの専用アプリが必要。バッテリで駆動し、専用の充電台で充電。充電台の上でも動作する。本体サイズは約直径21~23cm。重量は約1.2~1.3kg。
販売台数は320台。価格は、早割10%オフが35,800円、早割5%オフが37,800円、マクアケ価格が39,800円。いずれも6カ月分のサーバー使用料込み。6カ月以降は月額980円が必要。
クラウドファンディングの目標金額は1,000万円だが、これは開発費等にあてるという意図ではなく、「市場性」を判断するための指標とし、達成されれば市場性がある、という判断で今後の展開を行なっていくという。