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次亜塩素酸水、噴霧での利用は控えて

製品評価技術基盤機構(NITE)は、新型コロナウイルスへの消毒目的として利用されている「次亜塩素酸水」について、現時点において「新型コロナウイルスへの有効性は判断できない」との中間結果を公表した。特に、噴霧での利用は安全性が確認されていないと注意喚起している。

新型コロナウイルスに対して有効なアルコール以外の消毒方法の有効性を検証する調査の一環で、界面活性剤 11種とともに、次亜塩素酸水(電気分解で生成したもの)で検証試験が行なわれた。

国立感染症研究所の次亜塩素酸水の検証試験では、一部のサンプルで感染価減少があったが、北里大の検証試験では、ウイルス不活化効果は認められなかったという。NITEは今回の試験では「次亜塩素酸水(電気分解によるもの)についての有効性は判断できない」とし、引き続き評価を進める。

また、次亜塩素酸水として販売されている製品は、製法(電気分解、混和等)や原料が明記されておらず、液性をpH値によって明記しないものも多く、安全性も根拠不明なものが多いと指摘。

特に噴霧での利用について、注意を促す文書を公表。NITEの調査で販売状況を確認できた81品目中、66品目が空間除菌を謳って販売しているが、空間噴霧については、ウイルス除去性能の評価方法が国際的に確立されておらず、また、次亜塩素酸水の噴霧が「換気によるウイルス排出や、『3密』回避による感染防御よりも有効とする分析は、発見されていない」としている。

同様に消毒液噴霧による人体への安全性についても、確立された評価方法が無く、消費者からの事故情報データバンクには「次亜塩素酸(水)の空間噴霧による健康被害」と捉えられる報告が届いていることなどを指摘している。

【訂正】記事初出時に、タイトルを「新型コロナへの有効性は確認されず」としておりましたが、継続して評価が進められるため、タイトルを変更。追記しました(30日1:00)

新型コロナに有効な界面活性剤を追加

なお、新型コロナウイルスに対して有効な界面活性剤の検証も進めており、新たに塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)も有効と判断。

有効と判断された界面活性剤は、以下の7種。

  • 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
  • アルキルグリコシド(0.1%以上)
  • アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
  • 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
  • 塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
  • 塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)

これらを含んだ住宅・家具用洗剤のリストも公開している。ただし、これらは身近な物の消毒用で、手指・皮膚には使用してはいけない。スプレーボトルでの噴霧も行なわないよう呼びかけている。