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ニッポンタブレット停止。加盟店への未払いなどトラブル

タブレットを使ったコード決済などの決済サービス「ニッポンタブレット」を提供するNIPPON Platform(ニッポンプラットフォーム)がサービスを停止し、過去の売上金の未入金などが問題となっている。4月15日頃には加盟店へのサービス停止が通告され、現時点でサービスが利用できなくなっている。

ニッポンタブレットは、決済用タブレットを加盟店に無償で貸し出し、そこで各コード決済のコードを読み取って決済を行なうというレジ(mPOS)の仕組みを提供。加盟店が導入すれば、複数のコード決済に対応できるようになっていたほか、集客機能なども備えていた。この仕組みでは、利用客の支払いはニッポンプラットフォーム経由でコード決済事業者に請求され、決済事業者がニッポンプラットフォームに支払い、それを加盟店に送る、という仕組みになっていた。

しかし、ニッポンプラットフォームから加盟店に対する支払いが、2月末までの数カ月間にわたって滞っていたという。その間、決済事業者からの支払いは行なわれており、ニッポンプラットフォームはその売上金を着服していたことになる。

ドコモによれば、複数の連絡を受けて事態を把握。ニッポンプラットフォーム側に改善を求めてきたが、3月1日以降は加盟店の売り上げに対してドコモが直接払う方式に変更。3月中の支払いは全て行ない、4月以降の売上は、次の入金サイクルである5月中旬に入金することになっている。ドコモには、ニッポンプラットフォームから4月15日に通知があり、サービス自体を停止することが告げられたという。

2月以前の未払い分については、d払い分に関してはドコモが負担して加盟店側に支払う方向で検討している。ドコモはすでにニッポンプラットフォーム側に支払っているため二重の支払いとなるが、「加盟店に迷惑をかけられない」と判断した。

こうした事態を受けて、ドコモではニッポンプラットフォームと結んだd払いの包括加盟店契約の解除を検討。それ以外の法的措置などは現時点で決まっていることはないとしている。

同時に、ニッポンプラットフォームの加盟店に対しては、これまで使用していた決済サービスが使えなくなるため、代替手段や代替サービスを提案していくことも検討しているという。

ニッポンタブレットが対応していたコード決済事業者

Amazon Payを提供するアマゾンも状況は把握。「事業者への影響を最小限にするために、影響を受けたすべての事業者に対する施策を導入する」としており、今後対応を進めていく考えだ。

ニッポンプラットフォーム側には取材を申し込んでいるが、記事執筆時点(4月28日)で回答はない。ドコモは連絡が取れている、としているが、現状ではサービス終了にともなう処理を行なっている模様で、ニッポンプラットフォーム側の今後の対応については明らかになっていない。

決済サービスでは、Origami Payがサービスを終了したことが記憶に新しいが、今回は決済事業者からの入金を店舗側に支払わないという点が悪質で、決済サービスへの信頼を損なう結果となっている。ドコモは今後、包括契約での信用調査を強化する方針を示しているが、新興企業による決済サービスの継続性の難しさも示している。