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神戸市×Uber Eats、飲食店と家庭を支援。神戸全域テイクアウトや手数料補助

神戸市とUber Eatsは、新型コロナウイルスの影響で売上が落ち込む飲食店や、外食の機会が減って家事負担が増している家庭への支援策「Uber Eats+KOBE」を実施する。Uber Eatsの飲食店支援に神戸市が独自支援を加え、飲食店の売上減少回復につなげる。自治体がUber Eatsと連携した支援策を行なうのは全国初のケースとなる。

この施策にあわせて、神戸市全域でUber Eatsのテイクアウトサービスを開始。さらに、店舗向けのUber Eatsの初期手数料の無料化や手数料の割引を行なう。

神戸市では今回の施策について、「店側にはデメリットはない施策。新型コロナウイルスの影響で外食する人が大幅に減り、売上減となっている分を少しでもカバーしてもらえばと考える。利用する家庭にとっても、外食が難しい時期に利用できるサービスとして利用して欲しい。また、仕事がなくなる事態も起こっている中、配達員を就労機会拡大と捉えてもらえれば」(神戸市企画調整局つなぐラボ特命係長兼市長室広報課担当係長 長井伸晃氏)と地元店舗、市民、就労のそれぞれにプラスになると説明している。

今回のUber Eats+KOBEでは、神戸市内にある店舗数20店舗未満の中小企業を対象とする。大手チェーン店であっても、フランチャイズで数店舗を運営する地元企業は対象となる。現在、Uber Eatsと契約している神戸市の飲食店は720店だが、このうち対象となるのは560店となる。

神戸市のつなぐラボでは、シェアリングサービスとの連携を模索する中でUber Eatsとも意見交換を行なっていた。今回、急速に飲食店の売上が落ちていることから、Uber Eats側に話しを持ちかけ、2週間で今回の提携が実現することとなった。

神戸市では今回提携を実施する背景として、新型コロナウイルスの影響で飲食店の売り上げ減、就労者の収入減、家庭の家事負担増加という3つの課題を解決することを狙いとしている。

実施する施策は主に5つ。まず、Uber Eatsが3月27日から全国で実施している初期手数料無料の対象となる。通常は、飲食店がUber Eatsと契約した場合、1週間程度の売上からタブレット通信料、初期手数料、サービス利用手数料がかかる。このうち、初期手数料が無償となる。

Uber Eatsの料金シウステム
初期手数料が無料に

二つ目は、Uber Eatsが4月13日から5月10日まで実施する飲食店側の負担ゼロでオーダー金額に応じた割引を行なうキャンペーンを期間延長。神戸市限定で7月12日まで、トータル3カ月に延長する。5月10日までは、Uber Eatsが、それ以降は神戸市が負担することで、飲食店側は負担ゼロになる。割引額は注文額に応じた4種類を用意しており、飲食店側が好きなものを選ぶことができる。

三つ目は、Uber Eatsのテイクアウトを神戸市全域で開始。デリバリーサービスは、配送パートナーが存在する東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区の6区に限られているが、テイクアウトは配送パートナーを必要としないことから、実施地域を拡大する。その際、持ち帰りサービス利用にかかる手数料を3カ月間限定で、神戸市限定でUber Eats側が4割減免する。

飲食店にとっては、Uber Eatsへの参加が容易になり、新たな購入者も見込める。店舗が神戸市にある店舗であれば、市外の利用者も利用することも可能だ。注文者は時間を指定し、配送料なしに飲食店の料理を食べることができるようになる。

四つ目の施策として、Uber Eats利用までの手続きを飲食店向けにオンラインで実施する。説明会からサービス導入までをオンラインで完結できる仕組みとする。

また、配達パートナーや参加店舗の拡大支援PRを行ない、就労支援、機会創出につなげていく。仕事が減っている人などを含め、新しい働き方として配達パートナーのような働き方があることをアピールする機会としていく。

配達パートナーに対しては、対面せずに商品を渡せる置き配対応、Uber Eatsが提供するアプリを通じた衛生管理に関わる注意喚起、マナー向上や安全啓発に関わる啓蒙活動を行なう。

今回の施策でどの程度の利用数があるのかは、「初めての経験なのでわからない部分があるが、せっかくの機会なので利用者を増やし、飲食店の売り上げ増につなげて欲しい。現在のところ、予算は1,500万円を用意している」と神戸市では話している。

また、Uber Eats以外の企業との連携に関しても、「要望があれば、新しい提携も検討したい」としている。