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Pixel 4は「人間のためのコンピュータ」。カメラ・ジェスチャ・おサイフ
2019年10月17日 08:10
Googleは、新しいスマートフォン「Pixel 4」と「Pixel 4 XL」を10月24日より発売する。Pixel 4は5.7型/フルHD+、Pixel 4 XLは6.3型/QHD+のOLED(有機EL)ディスプレイを採用し、16日からGoogleストアで予約受付を開始した。
税込価格はPixel 4 64GBが89,980円、128GBが103,950円、Pixel 4 XL 64GBが116,600円、Pixel 4 XL 128GBが128,700円。
詳細は別記事で紹介しているが、発表会では、Pixel 4の強化されたカメラ機能や、Googleハードウェア事業の目標などについても語られた。発表会の模様を中心に、Pixel 4の特徴をまとめた。
ジェスチャーを強化したPixel 4。おサイフ対応も
Pixel 4と4 XLの違いはディスプレイサイズと、それに起因するバッテリ容量、外形寸法/重量など。Pixel 4は147.1×68.8×8.2mm/162g、Pixel 4 XLは160.4×75.1×8.2mm/193gで、並べて置いているとさほど違いがないように見えるのだが、手に取るとPixel 4 XLの大きさが感じられる。
カラーバリエーションは、Pixel 4/4 XLともClearly White、Just Blackと、限定色のOh So Orange。
プロセッサはSnapdragon 855(2.84GHz+1.78GHz)で、メモリは6GB、ストレージは64GBと128GB。microSDカードスロットは備えていない。本体はIP68準拠の防塵、防水性能を有している。OSはAndroid 10。
OLEDディスプレイは、周囲の環境にあわせて画面の見やすさを調整する「アンビエントEQ」に対応。また、リフレッシュレートを60Hz~90Hz間で自動調整し、最適な視聴と電池使用量のバランスを自動で調整する。
独自のプロセッサ「Pixel Neural Core」も搭載。顔認証や、独自のMotion Sense、Googleアシスタント、カメラ機能などで利用する。
Pixel 4の大きな特徴といえるのがジェスチャーで操作できる「Motion Sense」。カメラではなく、レーダー技術の「Soli」を利用してジェスチャー認識するもので、Pixel 4に手を伸ばしてフェイスアンロックを起動したり、端末のそばを離れた時に画面を自動的にOFFにする、手のジェスチャーだけで音楽の曲送りをする、手を振るだけでタイマーを止める、といった操作を可能にする。
発表会場では、ランニングマシンで走りながら、音楽をスキップするというデモも実施。また、Motion Senseを使ったピカチュウのアプリも用意するなど、Pixel 4シリーズでは、「ジャスチャー操作」を積極的に打ち出している。アプリもYouTube MusicやSpotifyなど、音楽配信サービスを中心に対応済みという。
一方、Soliの無線仕様が日本の規格に適合していないため、Pixel 4/4 XL発売時点では日本でMotion Senseは利用できない。ただし、総務省において環境整備が進められており、2020年春にはソフトウェア・アップデートを実施し、Motion Senseを国内でも利用可能にする予定。
Motion Sense以外の日本独自の仕様としては、Felicaに対応。これにより、「Google Pay」のほか「おサイフケータイ」に対応し、nanacoやWAON、楽天Edyなどを利用可能になる。
世界有数の低照度カメラ。プレビューもHDR
Pixelシリーズの特徴の「カメラ」は、Pixel 4/4 XLでも強化されている。
背面には1,600万画素と1,220万画素、2つのデジタルカメラを搭載。ハードウェアの望遠レンズと、ソフトウェアの超解像ズームを組み合わせる事で、遠くからも画質劣化を抑えた撮影ができるという。
Pixel 3シリーズでも支持された「夜景モード」も強化。夜空の星の撮影用の「天体写真機能」を追加した。星空にカメラを向けて固定し、1回タップするだけで、天の川や夜空の星まで撮影できるもので、「Google Pixelは世界有数の低照度カメラに進化した」という。天体写真機能は、Pixel 3/3aもカメラアプリアップデートで対応予定。
また、複数枚の画像を撮影してハイダイナミックレンジ写真を作り出す「HDR+」を強化。Pixel 4では、明るさと暗い部分の細部表現を、「デュアル露出補正」で微調整できるようにした。夕焼け背景のポートレートなど、明暗調整が難しい場合でも、バランスが良い写真を撮影できるという。
そして、HDR+撮影後の写真を“予測“して、プレビュー画面(ファインダー)もHDRで表示する「LIVE HDR+」もPixel 4で初搭載。HDR写真の仕上がりが撮影前にわかるため、HDR撮影がよりやりやすく、イメージに近づけやすくなる。ここもPixel 4の大きな特徴だ。
Googleハードウェアは人間のためのコンピューター
Googleアシスタントも強化し、高速化や処理の高速化による同時処理の向上を実現。また、クラウドに接続せずに、スマートフォン上で処理できる作業を拡大していく。新しいGoogle アシスタントは、2020年春に提供開始予定だが、これにより高速化などのパフォーマンス追求とプライバシーの保護を両立させる狙いがある。
Google ハードウェア事業 パートナーシップビジネス統括の織井賢氏は、Googleのミッション「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにする」は、マップなどのサービスだけでなくハードウェアでも同じとする。
その上で、Googleハードウェアの特徴は、ソフトウェアとハードウェア、AIが蜜に結合し「アンビエントコンピューティング」を実現すること。アンビエントコンピューティングとは、「人が意識することなく、コンピューターが使えること」。スマートフォンが中心でななく、それを使う人間のためのコンピューティングの実現こそが、Google ハードウェアの目標とした。