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低層建物の火災避難時エレベーター利用計画、国内初適用。PARCO CITYで

竹中工務店は、国内初となる、低層建物における乗用エレベーターを利用した火災時避難計画を実施し、「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」に初導入。歩行困難者が円滑に避難できる仕組みを構築した。

従来の昇降機火災管制制御では、火災発生時に建物内すべてのエレベーターが避難階に強制的に着床し、機能を停止する制御となるため、エレベーター停止後、上階からの避難は階段を用いるしかなく、歩行困難者の避難安全性に課題があったという。

これを解決するため、大型ショッピングセンターであるサンエー浦添西海岸 PARCO CITY(店舗棟:地上6階、駐車場棟:地上7階)において、事業者のサンエーパルコ、エレベーターメーカーの三菱電機と協議・連携し、国内初の火災時における乗用エレベーター避難利用を計画、実施した。

サンエー浦添西海岸 PARCO CITY 建物全景

火災が発生した防火区画及び隣接区画のエレベーターは停止。一方、火災と関係のない区画ではエレベーターの利用を継続し、歩行困難者の避難を可能とする。特に今回の施設は延床面積が220,000m2を超え、火災の影響を受けないエリアも広く存在するため、エレベーターを継続利用させることは避難上有用だという。

なお、火災が広がるに従って、随時該当箇所のエレベーターを停止していく制御を実施する。

これまで、高層建築物の非常用エレベーターに限り火災時の避難利用を許可されている事例はあるものの、中・低層の乗用エレベーターについては、火災時の避難利用を実施した事例はないという。今後は、大型商業施設に限らず、全国の大規模な中・低層建物において水平展開を図るとしている。