DNP、企業毎の独自ルールにも対応するAI校正・校閲サービス

大日本印刷(DNP)は、印刷物等制作時の、AIを活用した校正・校閲ができるサービス開発に向け、企業13社とともに合同検証を実施。各企業の独自ルールを組み込むことで企業ごとに最適化できるSaaS型サービスの開発を進める。

合同検証参加企業は、アサヒビール、キリンビール、キリンビバレッジ、小林製薬、サントリーコミュニケーションズ、日清食品ホールディングス、バンダイ、明治、ユニ・チャーム、ライオン、ロッテほか。

DNPが提供するのは、商品パッケージ向け校正・校閲サービス。商品パッケージ上で文字・画像認識した情報と原稿の情報をAIが照合し、差異をアラート表示。表示された不一致箇所のみを人がチェックする。

このサービスでは、法的な表示が義務付けられている事項や成分内容等、各業界で共通して遵守すべきルールを知識データベースとして標準実装。そこに各企業の独自ルールを組み込む。

合同検証実施の背景として、商品パッケージを制作するには、業界のルールのほかロゴやマークの表示方法など企業独自のルールに準拠する必要があること、使用される多種多様なデザイン、文字は自動認識することが困難であるため、機械化・自動化が進まなかったことを挙げている。

合同検証の目的は、各企業で制作されている多種多様な形状・デザインを分析し、文字認識精度を飛躍的に高めることとしている。

今後は、現在の校正・校閲作業の7割程度の負荷削減を目標に2020年春の実用化を目指す。また、業界や企業独自のルールなどをAIで学習し、そのルールにポスターやPOP、保険募集資料、契約書などが違反していないかどうか、誤字や不適切な表現の有無をチェックする「広告物向け校正・校閲サービス」の開発も予定している。