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携帯3社の「+メッセージ」拡張。銀行やカードの住所一括変更など対応へ

携帯電話番号だけでメッセージがやりとりできる「+メッセージ」が機能拡充し、5月より順次公式アカウントによる企業からの情報提供に対応する。さらに将来の金融機関における住所変更手続きなどに対応するため、共通プラットフォームの構築で合意した。

+メッセージに公式アカウント

+メッセージは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が推進する、携帯電話番号だけでメッセージをやりとりできるサービス。通信業界団体のGSMAにおいて標準化されている「RCS」に準拠し、2018年5月から提供している。

これまでのユーザー間の連絡に加え、公式アカウントや認証済みマークを運用開始。企業の公式アカウントとユーザーが直接コミュニケーション可能となる。

公式アカウントを展開
銀行からのお知らせを通知
5月以降順次提供

またリッチカードと呼ぶ新機能を追加。画像とテキストを組み合わせた「リッチカード」を企業から受信し、お店の予約や商品選択などが利用可能になる。提供時期は、ドコモが8月以降、auが5月以降、ソフトバンクが8月以降。

さらに、+メッセージを使った本人認証を金融機関における契約内容確認や変更手続きなどにも活用することで協力する。通信3社と、JCB、東京海上日動火災保険、日本生命保険、野村證券、三菱UFJ銀行の金融5社、トッパンフォームズが、金融機関横断の共通手続きプラットフォームの構築に向けた検討を開始する。

金融でも+メッセージ
共通手続きプラットフォームを拡大していく

これにより、金融機関における各種手続きを簡素化し、ユーザーの負担を軽減するとともに、金融機関側の業務も効率化する。基本設計完了後は5社以外の金融機関にも参加を打診。管理運用はトッパンフォームズが担う。サービス開始は「年内から年度内を目標としている」(トッパンフォームズ 坂田社長)という。

セキュリティを活かして公式アカウント展開

+メッセージは、2018年5月に開始。ケータイ番号だけでつながるというSMSの気軽さに加えて、文字数を気にせずに写真や動画も送れるといった特徴で、利用者は800万を超えたという。

ドコモ、au、ソフトバンクのAndroidスマートフォンにはプリインストールされるが、iPhoneはユーザーによるアプリダウンロードが必要。まだ本格的な普及に至っていないように見えるが、「確実に伸びている」という。

+メッセージの強みとして語られたのは「セキュリティ」。ケータイ番号が書き込まれたSIMと紐づくため、利用者が確実に限定される。このことを「+メッセージ=あなたそのもの」と表現し、高いセキュリティを活かしたサービス提案を行なう。

その第1弾が公式アカウント。企業の公式アカウントから確実にケータイ番号あてに情報を伝達でき、+メッセージ上で手続きなど可能になる。発表会では、ケータイのサポートや銀行手続き、レストランなどの予約の例を紹介。レストランの例では、「確実に利用者と連絡が取れる」ため、レストラン側のキャンセルの不安が少なくなる、といった特徴にも言及された。

レストランの予約
銀行の公式アカウントとやりとり

なお、公式アカウントの営業や、審査・認証は各キャリアごとに行なう方針。運用等の詳細は今後検討を続けていくという。また、現在は3社のみが+メッセージを展開しており、‪UQ mobileやY! mobileなどのサブブランドやMVNO、(携帯事業に参入予定の)楽天では利用できない。今後「キャリアごとの相談となるが、要望があれば、検討していく」という。

銀行・証券・クレカの住所変更を一発で。共通手続きプラットフォーム

共通手続きプラットフォームは、各社の非競争領域となる業務や事務の共通化し、+メッセージ上をユーザーとの窓口として利用するための基盤を目指す。

具体的には、住所変更や口座振替申込、災害時サポートなどを想定。+メッセージから各種変更手続き申請が行なえるほか、住所変更は複数社の一括申請を可能にする。例えば引っ越し時に、住所変更を+メッセージ上で行なえば、銀行と証券会社、生命保険、クレジットカードの住所変更申請が一度に実行できる、といった活用が想定されている。

JCB、東京海上、日生、野村證券、三菱UFJ銀行の5社が協力し、トッパンフォームズが開発。基本設計完了後は5社以外の金融機関にも参加を打診し、「我が国全ての金融機関に参加いただきたいという思い(トッパンフォームズ坂田社長)」とした。