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冬に備える「パーソナル暖房」の最新トレンド
2024年11月19日 08:20
長かった夏が終わり、一気に寒さが増してきた今の時期。そろそろ冬に向けた暖房器具を検討されている方も多いのではないでしょうか。本格的な冬を前に「ちょっと寒いな」と感じた時から使えるのが、自分の場所だけを温めるパーソナル暖房です。少し肌寒い時期にはこれだけを使い、本格的に寒くなってきたらエアコンと併用して使える便利アイテムなので、買っておいて損はありません。
そこで今回は、多種多様な暖房器具を取り揃えるビックカメラ有楽町店・家電コーナーの青木唯さんに、パーソナル暖房のトレンドやおすすめの商品を聞いてきました。
「有楽町店の暖房器具コーナーは広い売場を確保し、パーソナル暖房も含めて多くの商品を見やすく、選びやすいように展示しています。お客様から『速暖ってどのくらいであったかくなるの?』、『大風量って風の強さはどのくらい?』といった声もよく聞かれるため、店頭の各所にお試し台を設置しました。気になる商品があればスタッフに声をかけて、ぜひ試し運転をしてみてください」
パネルヒーターや携帯カイロがより実用的なデザインで登場!
まずご紹介いただいたのは、足元を集中的に温めたい人に最適なパネルヒーター。以前は角張ったボックス型がメインでしたが、足を包み込むような丸みのあるデザインが登場しました。
「足の内側までぐるっと回り込んでマグネットで留めるタイプのパネルヒーターです。開ける、閉じる、包み込む、といろいろな使い方ができるのも魅力。従来のパネルよりも包まれている感が高くなり、電気代は1時間で約2.1円とローコスト。しっかりとしたつくりで倒れにくく、小さく丸めてコンパクトになるので収納にも場所をとりません」
サイズは1,380×30×320mm(幅×奥行×高さ)、重さは約860g。ふくらはぎまでしっかり温まるので、冬のむくみ対策にも良さそうです。
続いて紹介するのは、手軽に暖をとることができる携帯カイロ。昨年、多数の問合せがあったことを受けて、ビックカメラではデザインから自社で考えたオリジナル商品をつくったそうです。
「特徴は缶コーヒーをモチーフにしたこの形です。缶コーヒーを握りしめて手を温める方が多くいらっしゃるので、そのイメージを元につくりました。3色展開で、カフェラテ、ミルクティー、ミルクココアとミルクが溶け込むようなカラーを採用。USB Type-C対応の充電式で弱は45℃、強は55℃と従来のカイロよりもやや高めの設定になっています。容量5,000mAhのモバイルバッテリーとして使えるのも便利です」
首振りタイプのファンヒーターは一人でも複数人でも使える
パーソナル暖房としてはもちろん、広範囲にも風を送ることができる大風量のファンヒーター。なかでも青木さんがおすすめするのは首振りタイプです。
「お1人の場合はピンポイントで使うこともできますし、首を振れば複数人でも使うことができるので、あらゆるシーンで足元を温められるのが魅力です。パーソナル暖房として足元を温める機器をお求めの方も、首振りタイプもあると案内すると、首振りを選ぶ方が多くいらっしゃいます」
おすすめはユアサプライムスとアイリスオーヤマのセラミックヒーター。どちらも速暖と大風量のパワーを特徴とした、室温センサーと人感センサー付きの節電モデルです。
「機能的にはほぼ同等のモデルですが、ユアサは温度表示が見やすく、可変ルーパーで風向きを上下に調整できるのが利点です。アイリスオーヤマは、多少ですがよりコンパクトで、指定の温度を設定できる。微妙に違う部分があるので、迷ったらお試し台で比べてから選ぶといいかもしれません」
寒さが染みる脱衣所で使うならこちら
「お客様からは“脱衣所の寒さ対策に”というニーズも多い」と青木さん。その場合は速暖性が高く、場所をとらないコンパクトなモデルを案内するそうです。
「なかでもおすすめはアラジンの『遠赤グラファイトヒーター』です。トースターなどの家電も人気で馴染みがあるためか、ブランドで選ばれる方も多くいらっしゃいます。実は、私も持っていて、主に脱衣所で使用しています。立ち上がりは0.2秒の速暖タイプなので、お風呂上がりにスイッチを入れればすぐに温まりますし、朝の洗顔時にも便利。冬場、脱衣所にいる時は常に使っている感じですね。軽いので力が弱い母親でも簡単に持ち運ぶことができますし、縦型なので場所をとらず、いろいろな場所で使うことができて便利です」
サイズは180×180×530mm(幅×奥行×高さ)、重さは約1.3kg。大人のひざほどの高さで、デスク作業やキッチンで足元を温めることもできます。
脱衣所の寒さ対策としてもう一つおすすめのモデルが、防滴仕様で水回りに置いても安心なパナソニックの「セラミックファンヒーター」です。
「コンパクトなのに温風がパワフルですし、風向可変ルーパーで上方向に風向きを変えれば温めたいところに温風を当てることができます。防滴仕様なので脱衣所だけでなくキッチンで使っても安心です。姉妹品としてトイレで使えるような、よりコンパクトな『DS-FP600』もあるので、使う場所の広さに応じてお選びいただけます」
DS-FN1200のサイズは280×135×315mm(幅×奥行×高さ)、重さは2.5kg。DS-FP600のサイズは218×125×265mm(幅×奥行×高さ)、重さは約2kg。どちらも本体が転倒・傾いた時にヒーター通電を停止する二重安全転倒OFFスイッチを搭載した安心設計です。
自分好みのものが選べる電気毛布やホットカーペットにも注目
寝具として使うだけでなく、ソファの上に敷いたり、くるまったりといろいろな使い方ができる電気毛布も外せないパーソナル暖房のひとつです。
「電気毛布には『掛け用』と『敷き用』があり、その違いをお客様からよく聞かれますが、基本的には『掛け』や『掛け敷き兼用』の場合は厚手でサイズが大きいものが、『敷き』の場合は寝る場所に敷くことを目的としているため薄手でサイズは小さめのものが多いです。ただ、掛け用も敷き用も専用というわけではなく、どちらでも使うことができるので、大は小を兼ねると、大きいサイズのものが売れています。電気毛布は広げて肌触りを確かめられるようにパッケージから出した状態で展示していますので、自分好みのものを選んでくださいね」
「電気毛布をオーバーオールのようなデザインに仕立てた『くるみケット 3WAY』は、今年もニーズがありそうです。ポケット付きでUSB給電用のバッテリーやリモコンを入れることもできますし、キッチンではスマホなどを入れて作業することもできます。リビングでゆったりする時には足ポケットがあるので足元も冷えから守ってくれますよ」
サイズは約1,150×650mm、着用時ウエスト最大約130cm、重さは約1.4kg(コントローラー含む)。適応身長は150~180cm。
「足元の寒さ対策では、ホットカーペットも欠かせません。なかでもパナソニックの商品は種類が豊富で、機能は上がっていても昔から変わらない操作性で人気があります。選びの基本となる畳数のほか、色柄や素材の質感、ヒーター部分の厚み、切り替えられる面の数など、とにかく選択肢が多く、自分に合ったものを選べるのがパナソニックの利点です」
価格は畳数やカーペットの素材により異なりますが、パナソニックの商品はパーソナルタイプのDC-15NKB1(カバー+本体/1.5畳相当)が16,660円、ハイグレードなホットカーペットNKシリーズのDC-3NKC1-C(カバー+本体/3畳相当)が32,500円といった感じです。
インテリア重視で選ぶなら暖炉のようなヒーターも選択肢に
とにかく雰囲気重視でインテリアにこだわりたい、という方には、暖炉のようなビジュアルに癒やされるDIMPLEX(ディンプレックス)のDinky Stove(ディンキーストーブ)はいかがでしょう。
「本物のような炎のゆらめきと質感を再現した、目で楽しむ暖房器具です。最大1,200Wのファンヒーターを搭載していて下から温風が出てくるので、寒い時には足元から温めることができます。炭の手配や処分などの手間いらずで暖炉のある暮らしを楽しめる、と毎年一定数売れています」
サイズは350×220×422mm(幅×奥行×高さ)、重さは6.2kg。炭を焼いたパチパチとした音が出る、一回り大きいタイプもあるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
今年もパーソナル暖房は充実のラインナップ。冬はすぐそこまで来ているので、気に入ったアイテムがあればなるべく早めに購入しておきましょう。
なお、価格は取材(10月29日)時点の店頭価格です。