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ヤマトとオイシックスの「ベジネコ」。農産品物流の受注をFAXからスマホへ

ヤマト運輸と農産物やミールキットなどの食品宅配を展開するオイシックス・ラ・大地は、2017年10月より、農産品物流の課題解決に向けた「ベジネコ」プロジェクトを開始。取り組みの第1弾として、「ながさき南部生産組合」において、農産品物流特有の煩雑な受注業務や帳票作成をシンプルにするシステムの提供を開始した。

ベジネコプロジェクトでは、ヤマト運輸の有する輸送ネットワークやオイシックス・ラ・大地の有する生産者ネットワークといった両社のリソースを活用し、「生産者や出荷団体における煩雑なデータ作業の効率化」「物流事業者とのデータ連携を含めた輸送スキームの効率化」による、受発注から届けるまでをワンストップで効率化するオープンプラットフォーム構築に向けて共同研究を進めている。

ソリューションの第1弾として、農産品物流特有の煩雑な受注業務や帳票作成をシンプルに効率化するシステムの提供を開始。

これにより、日本の農産品物流においての課題だった、FAXや電話での受注のやり取りや手入力によるデータ管理、手書きや複数システムを使った帳票作成など、アナログでの煩雑な作業を、PCやスマホで一括して行なうことができる。

システムのイメージ

生産者のメリットは、出荷団体からの受注情報をどこでも確認可能になること。出荷団体などは、小売店からの注文受付情報を自動で取り込み、各生産者への注文数量振り分けデータの作成作業を、過去実績に基づいて自動計算で行なえる。また、納品書や請求書、送り状の帳票を一括で作成可能になる。

長崎県南島原市の「ながさき南部生産組合」が2月25日より本システムを利用開始、3月11日からは山梨県中央市の農業法人「サラダボウル」で利用開始される。

農産品物流の課題には、物流事業者とのスムーズな情報連携の仕組みがなく、希望するタイミングやサービスレベルでの輸送が難しいこともある。また物流事業者にとっても、「積載効率が悪い」「帰り荷が無い」「長距離運行」など、働き方や収益性の面での課題がある。

両社は今後、2019年度中に第2弾として小売店との出荷調整の効率化などにも対応できるシステムを提供開始。第3弾としてそれらのデジタルデータを物流事業者と連携して輸送の効率化を図る仕組みをつくり、産地の販路拡大や消費地の仕入れ先拡大にもできるオープンプラットフォームの提供を予定。

「ベジネコ」プロジェクトによるソリューションは、オープンプラットフォームとして日本全国の生産者へ展開し、2021年までに15,000の生産者に利用されることを目指す。