JR東海、次世代新幹線「N700S」を'20年7月営業運転。全座席コンセント

JR東海は、次期新幹線車両「N700S」を2020年7月から営業運転開始する。地震時のブレーキ距離短縮などの安全性を向上するほか、バッテリ自走システムの搭載により異常時対応力を強化。モバイル用コンセントは全座席に設置する。

利用者の快適性・利便性の向上においては、制振性能を高めた「フルアクティブ制振制御装置」を、グリーン車と先頭車、パンタグラフ搭載号車に搭載し、乗り心地を向上。また、モバイル用コンセントを全座席に設置し、利便性を高めている。

また、ATCとブレーキシステムを改良し、地震時のブレーキ距離はN700Aタイプから5%短縮。台車カバーの形状変更などの着雪防止対策や、大容量データ通信による状態監視機能の強化などで、安全性・安定性の強化も図った。

異常時対応力の強化として、バッテリ自走システムを高速鉄道で初搭載。自然災害による長時間停電時などでも、トンネルや橋梁等を避けて利用者避難が容易な場所まで自力走行が行なえるという。さらに、停電時でも一部トイレを使用可能とする。

また、防犯カメラも従来の2個から4個に増設。客室の天井にも設置し、車内のセキュリティ向上を図る。緊急時の通話も、乗務員と乗客だけでなく、指令所とも通話できるよう改良。通話装置も増やし、客室に設置する。

消費電力は、N700Aタイプから6%削減。パンタグラフやブレーキ装置の摩耗部品の長寿命化により、交換周期を2倍に延伸。検修作業の省力化を図る。

投入計画は、2020年が12編成、2021年が14編成、2022年が14編成。工事費は約2,400億円。