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新東名で後続車無人システムによるトラックの隊列走行。車間10m
2019年1月9日 14:46
経済産業省および国土交通省は、1月22日から2月28日の期間、新東名高速道路の浜松SAから遠州森町PA間の上下線において、後続車無人システム(後続車有人状態)のトラック隊列走行の公道実証を実施する。先行車に追従して車線変更する機能を搭載したトラックによる公道実証は国内初。
1人の運転手が複数台の無人のトラックを運行することによる高効率化が目的。トラックのドライバー不足対策に貢献するとともに、短車間距離による空気抵抗低減と交通容量増大による効果により省エネルギーが期待できるという。
公道実証では、最大3台のトラックが、時速70kmで車間距離約10mの車群を組んで走行。安全確保の観点から、すべての車両にテストコースで経験を積んだドライバーが乗車する。
後続車無人システムとは、ドライバーによる手動運転を行なう先頭車の後方に、1台または複数台の無人のトラックを、最長10mの車間距離で電子的に連結して走行するシステム。電子的な連結とは、車両間を通信等により接続するもので、物理的な連結が存在しない。
そのほか今年度の公道実証で使用する実証実験車両システムとして、CACCシステム(協調型車間距離維持支援システム)、先行車トラッキングシステム、先頭車運転支援システムがある。
CACCシステムは、通信で先行車の制御情報を受信し、加減速を自動で行ない、車間距離を一定に保つ機能。
先行車トラッキングシステムは、先頭車または先行車への追従走行、車線維持、車線変更を行なう機能。
先頭車運転支援システムは、後続車の後側方のカメラ画像やミリ波レーダーによる検知情報を先頭車に表示し、先頭車が車線変更する際のドライバーの視界を支援する機能。
実走行環境において、開発中の後続車無人システムの実現に向けて必要となる機能が設計通り作動することの確認を行なうとともに、トラック隊列が周辺走行車両の乗員からどのように認識されるか(被視認性、印象等)、トラック隊列が周辺走行車両の挙動(追い越し等)に及ぼす影響等も確認するとしている。
早ければ2022年の商業化に向けて、2020年に高速道路(新東名)での後続車無人での隊列走行を実現することを目指す。