ニュース
車載カメラで積雪による路面損傷を自動検知。ウェザーニューズが独自技術で解析
2018年12月20日 19:48
ウェザーニューズは、車載カメラの映像とAI技術を用いた動画解析によって、路面状況の変化を自動で検知・マッピングすることで、積雪や損傷の早期発見・早期対処を可能にする「AI道路管理支援システム」を実用化することを発表した。
現在、道路管理に必要な、積雪・凍結・損傷などの路面状況の把握は、現場や定点カメラを目視で確認する方法が主流。しかし、目視では発見までに時間がかかることや、人によってばらつきが出るといった課題があるという。
ウェザーニューズは、損傷検知における本道路管理支援システムの有用性を確認するため、10月22日から23日に盛岡市の協力を得て実証実験を実施。事故やパンクの原因となる路面損傷を検出する目的で、盛岡市内を走行する車両の車載カメラ映像をリアルタイムに伝送し、独自技術を用いて映像を解析したところ、損傷の検知を確認した。
道路管理者向けのリアルタイムの動画解析は、実用化されれば日本初の取り組みとなるという。今冬は、路面凍結・積雪の把握や白線検知に関する実証実験が行なわれる。
なお、路面損傷(ひび割れや穴)の原因については、アスファルトが固まる際に収縮してできた隙間に入った水分が、凍結するときに膨張して路面が隆起する「凍上現象」によるものと説明。昨年、盛岡市内では記録的な寒さと雪に見舞われたこともあり、雪どけ時に盛岡市職員や市民の目視によって約4,800件の損傷が発見されたものの、パンク被害は例年の10倍(約200件)に上ったという。
目視ではなく自動検知することによる早期発見が、パンク被害や事故の減少につながると考えられるとしている。
技術協力は、国立研究開発法人情報通信研究機構、クレアリンクテクノロジー、IoTコンサルティング。