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IT関連歳出は7,395億円~補正予算閣議決定

  政府は10日午前、一般会計の歳出入が総額4兆7,382億円の2000年度補正予算案を閣議決定し、国会に提出した。経済対策に伴う補正予算はバブル崩壊後、9回目を数えるが、厳しい財政事情を映し、最小の予算規模となった。特例法で1999年度剰余金の全額を一般財源に回すなど、なりふり構わぬ国債増発抑制路線によって国債建設国債発行額は1兆9,880億円と補正予算では13年ぶりに2兆円を割り込んだ。

  政府は10月19日に、事業規模11兆円超の経済対策を決定しており、年換算で1.2%のGDP(国内総生産)押し上げを見込んでいる。補正予算案では、この経済対策の真水分として3兆8,521億円を計上した。「経済対策関係」以外に、地方交付税交付金8,985億円、高齢者医療など社会保障費の追加に伴う義務的経費8,227億円が歳出として加わった。一方で、人件費節減や国債費の不用額といった既定経費節減の8,834億円、予備費の減額1,500億円によって義務的経費の増加を相殺し、歳出総額は1990年代の経済対策関連の補正予算では最小規模の4兆7,832億円となった。

  ●知恵もカネもない
  景気底上げ効果が大きい社会資本整備費は2兆5,000億円。これも1990年代の経済対策に伴う補正予算では、最小規模となった。ただ、「日本新生プラン」のIT、環境、高齢化、都市基盤整備の4分野に歳出総額の68%にあたる1兆7,026億円を重点配分、21世紀色を演出した。IT関連は歳出合計で7,395億円と大きな比重を占めたが、各省庁の予算獲得を狙った従来事業やIT講習といった不評を買った施策が散りばめられ、まさに「知恵のない与党とカネのない政府」の構図が浮き彫りにされた格好だ。

  歳入面では、国債発行額を抑制と赤字国債見送りという与党合意に基づき、1995年度補正予算以来5年ぶりに特例法により前年度剰余金1兆5,103億円の全額を財源に充てた。さらに、景気回復に伴う法人税収の増加など自然増収1兆2,360億円によって、建設国債の発行額は1兆9,880億円に抑制された。

  この結果、補正後の2000年度国債発行総額は34兆5,980億円となり、財政構造改革で歳出抑制した1997年度以来、3年ぶりに前年度比で減少に転じる。過去最高を記録した1999年度決算額の37兆5,136億円を約3兆円下回り、国債依存度も38.5%と、同年度実績の42.1%から減少する。

■URL
・大蔵省
http://www.mof.go.jp/
・IT推進に1兆円~経済対策の事業規模11兆円に
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/19/doc744.htm

(北見優)
2000/11/10 09:55
3/30(金)
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