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比較サイト登場で国内損保に衝撃~自動車保険の満足度

  経営破綻や再編に揺れる保険業界で、保険料比較や自動車保険の「事故対応充実度アンケート」の結果を掲載するインターネット上のサイトが登場したことが波紋を呼んでいる。過敏に反応しているのは大手を中心とした国内損保で、長い実績があるサービス・ネットワークに絶対の自信を持っていたにもかかわらず、契約者の「満足度」で外資系の後塵を拝してしまったからだ。サイトには、「損害保険代理店から強烈な苦情が寄せられているみたいだ」(外資系損保首脳)とされ、比較販売禁止の下で横並び的な営業を続けてきた業界に、理性を失わせるほどのショックを与えているようだ。

  保険料比較は具体的な見積もりなどを抜きにした単純なもので、安さが売り物の外資系のほか、ソニー損保などカタカナ損保にとっては宣伝上の好材料。これに対し、国内既存損保は当初、「事故対応などのサービスは大手でないと十分でないし、特に、外資系は事故を起こさないような年配者の契約しか集めていない」と余裕の構えを見せていた。

  ●迅速な対応に人気?
  しかし、その後、大手コンサルティング会社が実施したという「事故による保険金支払いの請求をした経験のある方」(回答4,821人)へのアンケート結果が掲載されると、状況は一変。「非常に満足」の5点から「非常に不満」の1点を集計すると、トップはアメリカンホーム・ダイレクトの3.7点。2番手には業界最大手の東京海上火災保険(8751)が3.6点で、チューリッヒ、「その他外資系」と辛うじて並んだものの、安田火災海上保険(8756)、住友海上火災保険(8753)は3.5点、三井海上火災保険(8752)、大東京火災海上保険(8761)が3.4点、「その他日系保険会社」3.3点と、外資に遅れを取る結果になってしまった。

  外資の好評の裏には、国内大手では事故調査、交渉、支払いなどの担当者が分かれて利用者に煩雑感があるのに対して、外資は「1事故1担当者」の簡素な対応が受けているようだ。また、保険金支払も迅速なケースが目立つという。

  今後、ネットを通じてガン保険などにも、保険料や満足度調査が浸透していくのは確実で、国内大手にとって痛い刺激が続くことになる。

■URL
・e保険ドットコム
http://www.e-hoken.com

(小倉豊)
2000/11/10 17:26
3/30(金)
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