国内最大のISO（国際標準化機構）審査機関である日本品質保証機構（JQA）は9日、インターネットを利用した電子審査システムをNEC（6701）と共同開発、このほど第1号としてNECの環境監査システム（ISO14001）の更新審査に適用したと発表した。ネット利用によるISOのの審査システムは世界でも初めてとしている。

　 開発したのは「NetAudit」で、今春からNECと開発してきた。ISO認証の審査では対象企業の機密事項なども含まれているため、高度なセキュリティー対策を講じたという。ISOの環境監査システムは、企業が取得後も3年に1回の更新審査と年1回の定期審査が必要。審査は、審査機関の要員が企業を訪問し、書類のチェックや経営者ら関係者からの聴き取りを行うが、審査側・受審側ともに負担は少なくない。

　 開発したNetAuditだと、今回のNECの場合、JQAの直接的な審査費用は約2割削減、NECは準備や審査立会いなどのコストと時間を約半分にできたという。JQAには、ネット審査の問い合わせが、すでに数10件寄せられているとしており、今年度内には数件の審査がNetAuditで実施される見込み。