損害保険業界2位の安田火災海上保険（8755）と中位の日産火災海上保険（8756）、大成火災海上保険（8765）の3社が、2002年4月をめどに合併する方向で協議を進めていることが2日明らかになった。損保業界では、業界3、4位の三井海上火災保険（8752）と住友海上火災保険（8753）が2001年10月に合併するなど再編が急展開している。安田火災をはじめとする3社は合併により、査定部門の統合や間接部門の合理化、商品の共同開発などに取り組み、三井・住友連合によって一時は譲り渡す業界2位の座を確保する。

　 安田火災の広報部は2日朝、「協議を続けているのは事実だが、現時点で発表できる内容はない」とコメントした。

　 3社は、今年10月に経営統合へ向けて持ち株会社の傘下に入った、みずほフィナンシャルグループ（第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行）とのつながりが深く、保険業界再編のうねりのなかで、合併による生き残りを目指すことになった。3社の売上高に相当する正味収入保険料は、2000年3月期の合計で約1兆2,500億円。また同期末の総資産は約5兆1,800億円となっている。安田火災は、生保業界2位の第一生命保険と商品の相互供給を行うなど、“生損保提携”にも先鞭をつけている。