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日銀、強気の2%成長見通し~ただし“不良債権リスク”あり |
日銀は31日、金融政策運営の透明性向上を目的に、今年度の実質GDP(国内総生産)成長率、国内卸売物価指数と消費者物価指数(生鮮食品除く)の伸び率見通しを公表した。今後、4月と10月の年2回公表する。初回となる今回の「政策委員の大勢見通し」(9人の委員が提示した数値のうち最高値、最低値を除く)によれば、GDP成長率は1.9~2.3%と、政府見通しの1.5%を上回り、日銀が8月、政府・与党の反対を振り切ってゼロ金利政策解除に踏み切った強気の景気判断が改めて浮き彫りになった。 また、国内卸売物価指数は、需給ギャップの縮小や原油価格上昇により0.0~0.1%の伸び率とし、下落に歯止めがかかると予想。ただし、消費者物価指数は流通合理化や技術革新による「良い物価下落」もあるため、マイナス0.4~同0.2%を見通している。 GDP成長率に関しては、既に結果が出ている4~6月期が前年度平均比で1.9%成長を記録しているため、日銀見通しの下限(1.9%成長)であれば、残り9ヵ月(今年7月~来年3月)はゼロ成長を見込んでいることになる。また、上限(2.3%成長)に達するためには、7月以降の第3・四半期が前期比で0.3~0.4%成長が必要。いずれにせよ、年度半ば以降の経済は春頃に比べて減速が避けられない姿だ。 ●多い「下方リスク」への言及 一方、日銀は、これらの数値見通しの前提として、「経済・物価の将来展望とリスク評価」についての認識を文書で公表したが、その内容について市場では「景気下振れ方向への記述が圧倒的に多い」(銀行系証券)点に注目が集まっている。 日銀が指摘する下方リスクは、まず(1)急成長してきたIT投資の反動減、(2)原油価格上昇によるインフレ・リスク、(3)国際的な金融・為替市場の変調―などの「海外要因」を列挙。さらに、国内要因としては「国民の将来に対する不安感の拡大」も挙げた。 しかし、「過去にこれだけ明確に指摘されたことはない」(銀行系シンクタンク)と注意を引いたのが、金融機関の不良債権問題。健全銀行への資本注入制度が今年度いっぱいで期限切れになる中、不良債権処理の拡大で 日銀が再び信用収縮の危機に陥るリスクに留意していることは、今後、政策的に論議の的になる可能性がある ■URL・日銀 http://www.boj.or.jp/
(小倉豊)
2000/10/31
14:41
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