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コラム 瓦版一気読み(10月31日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 ル・コストキラーの異名を取る日産自動車(7201)のカルロス・ゴーン副社長が、「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という浪花節的な演出でケイレツ切りなどの大胆なリストラ計画「リバイバルプラン」を打ち上げたのは、ちょうど1年前のこと。 ついでに、2000年度に黒字化できなければ「責任を取って辞める」と大見得を切ったゴーン流改革の結末は、過去最高の当期利益(2001年3月期連結決算見通し)。記者発表に臨んだゴーン氏は「これはまだほんの始まりだ」と、1年間の成果に胸を張った。 ゴーン流改革は確かに功を奏し、予想以上にコスト削減が進んだ。空前の好景気に沸く北米での販売増加という“追い風”にも助けられた。が、日産の商売は「売れるクルマ」を作って売ることで、この最も大切な宿題に日産はまだ答えを出していない。 このニュースを唯一トップで報じた朝日も「落ち込んでいる国内販売の回復が今後のカギになる」と指摘している。 ◇当サイトの人気リポート『日本の政治を読む』で北光一氏が“12月政変説”を予測していた(30日)が、毎日の世論調査を見ると、いよいよかなという気がしてきた。 毎日が先週末実施した世論調査の結果によると、支持率は15%と前回から5ポイント低下。不支持率も58%と4ポイント上昇した。この低支持率は、竹下内閣(9%、89年3月)、宮沢内閣(12%、92年12月)に次ぐワースト記録という。 支持率が10%前後まで下がった内閣は長くは保たない。その証拠に、竹下内閣は3カ月後(89年6月)、宮沢内閣は7カ月後(93年7月)に倒れた。森内閣も・・・ ◇日朝交渉が30日から北京で再開した。羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く。もとい、森喜朗首相の失言に懲りた外務省が報道管制を敷いたため、代表団に同行した記者たちは細い情報ルートを辿りながらせっせとパソコンを叩いた(記事を書いた)。 産経<北朝鮮「補償」に固執、過去の清算、援助と別枠要求> 東京<「過去の清算」一部前進も、「正常化へ努力」確認> 1面トップで取り上げた産経と東京の見出しである。このニュアンスの違いから、素人の読者が交渉の中身を読み解くのは至難の業だ。 ◇日経はきょうもIT絡みのニュース。法務省が民放・刑法・商法の抜本改正作業に着手、電子商取引の急増に対応するため、ネット上で売買対象となっている電子情報を法的な財産と位置付けて保護することが最大の柱になるという。 ◇厚生省が、障害のある人に医師免許などの取得を制限している「欠格条項」を見直し、視聴覚障害者にも医師などの免許取得の門戸を開く方針を固めた、と読売が報じている。
【IT】 もう1つ。支配的事業者にハンデを与える「ドミナント規制」という言葉もよく使われるようになった。いずれも、NTT法改正論議に絡んだ記事だ。 NTTの在り方を審議している電気通信審議会は、急速な成長が期待できる通信市場で新規参入組や外資にもビジネスチャンスを与えるため、NTTグループのような「支配的企業」を規制することを提言した答申を12月にまとめる。が、産経によれば、最大の焦点だったNTTグループの再々編やNTT東西地域会社の業務範囲見直しなどは、答申に「盛り込まない見通し」という。
【トピック】 ところで、森首相と一緒にニッコリと微笑むQチャンの写真を1面に掲載している新聞は毎日、読売、東京の3紙。<首相からも「金」>の見出しを掲げる東京のノー天気ぶりには空いた口が塞がらない。どうしても「金」という見出しを取りたいなら<国民からも「金」>でしょ、整理部のデスクさん。 写真の大きさでは毎日が群を抜いているが、その上には<森内閣支持率15%に低下> <政権、危険水域に>の大見出し。・・・ブラックジョークと受け止めておこう。 [メディア批評家 増山広朗] ■URL・瓦版一気読み バックナンバー http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/
2000/10/31
09:10
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3/30(金) |
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