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「日本の政治を読む」~現実味を帯びてきた“12月政変説” |
【今週の主な政治日程】
▼30日 (月)第11回日朝国交正常化交渉(北京、31日まで)
【今週の焦点】 日ロ交渉も、「2000年中の平和条約締結に全力を尽くす」とした97年のクラスノヤルスク合意が既に破たんしており、同合意を今後どうつなげていくかが最大の課題。どのみち北方四島が早期に還って来ないからといって、政界の一部にある「まず二島だけ返還」論などに乗ることは禁物だ。 日朝にしろ日ロにしろ、「外交は国家百年の大計」ということを肝に命じ、軽挙は慎むことが肝要。
【先週のポイント】 この点から、議員個人の問題を国会で取り上げるのはけしからんとの野中広務自民党幹事長と青木幹雄参院幹事長の発言は噴飯もの。この程度の危機感しかない両氏が衆参両院最大の実力者というのが今の政権の脆弱さをよく表わしている。 今後の政局の展開は非常に読みにくいが、来年夏の参院選までは続くだろうと思われていた森政権に赤信号が灯ったことは事実。密かに言われてきた「12月政変説」がにわかに現実味を帯びたと言ってもよい。「自民党の明日を創る会」などの若手が要求している党総裁選の12月への前倒しは、党規約の改正を伴い党大会が必要なため、現状ではほぼ不可能。しかし、今国会が終わる12月初めの時点で内閣支持率が10%前後まで急落し、平均株価も1万2,000~3,000円程度と低迷するなら、「このままでは参院選は戦えない」と、話し合いで首相が交代する可能性は十分ありうる。 現政権は小渕前首相が病気で倒れた時に、首相の資質も何も考えずに、どさくさで決められた「正統性なき政権」。内閣のあらゆる不祥事、不手際はすべてこのことに起因すると言ってもいい。すなわち森首相が辞める以外に現状を打開する道はない。 早期に政権交代が行われるとして、最大の関心事は次の首相候補。現在のところポスト森候補には加藤紘一元幹事長、河野洋平外相、橋本龍太郎元首相らの名が上がっている。目下、候補ナンバー1と目される加藤氏は、現状では首相の座を射止める可能性が半々。小渕、森と2代続いた政権の予算の大盤振る舞いにもかかわらず、景気回復の足取りは思わしくない。ここで緊急手術的な経済運営から脱し、本格的な構造改革に取り組む必要性を重んじるなら加藤氏あるいは橋本氏が適任。 しかし加藤氏に対しては、森首相が憎悪にも近い感情を持っているのに加え、野中、青木両氏とも加藤氏に反発していることが最大の難点。要するに同氏では挙党態勢が組めない。また橋本氏は2年前の参院選敗北の責任をとって辞めた首相であり、その旗の元でもう一度同じ選挙が戦えるだろうかという大きな疑問が残る。
●“ポスト森”、ウルトラCなら高村元外相 ポスト森のカギを握るのは最大派閥の橋本派と公明党。その意味では橋本派会長の橋本氏がすんなり、次の首相候補になってもよさそうなものだが、同氏は「雇われマダム」に過ぎず、野中、青木両氏も橋本氏を心の底から支持しているわけではない。ただ田中軍団以来の同派の伝統として、自分たちの利益のためには一致結束して行動するという鉄則がある。これに従えば、組織を守るためなら急転直下、嫌いな加藤氏を推す可能性が全くないわけではない。しかしその場合、自分たちが操縦のしやすい、いわゆる「バカで軽い方がいい」(小沢一郎氏)首相ではなくなる可能性もある。野中氏らがこの辺をどう判断するか。 これ以外の首相候補としては石原慎太郎都知事が推す亀井静香政調会長もいる。ただ同氏の場合、森首相と同じバラマキ型の積極財政が続くことが難点。そこでウルトラCとして高村正彦元外相も考えられる。同氏も河野氏と同様、小派閥で基盤は非常に小さいが、その分、他派閥に恨みを買っていない利点がある。かつて田中角栄元首相が辞任の後、「晴天のへきれき」で三木武夫氏が後任に抜てきされたという例もある。 〔政治アナリスト〕 北 光一
2000/10/30
09:25
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3/30(金) |
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