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コラム 瓦版一気読み(10月25日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 金総書記の提案で行われた2度目の米朝会談で、金総書記は「衛星打ち上げ代行を条件にミサイル開発・輸出を抑制する」との提案を確認。さらにオルブライト国務長官によれば、前夜のマスゲームで人工衛星の打ち上げ風景が上演された際、金総書記が「これが最初で最後の衛星打ち上げになるかも知れない」とミサイル発射の恒久的な停止ともとれる発言をしたという。 オルブライト長官にしてみれば、これが最後の晴れ舞台。成果を最大限強調したい気持ちは分からなくもないが、迂闊に乗るわけにはいかない。「ミサイル問題で新たな枠組みづくりの足がかりが生まれた」(朝日)ことは確かだが、その先、つまりミサイル開発を巡る枠組みづくりには「世界のCD(現金自動支払機)」(筆者)である日本の協力が不可欠だからだ。 その日本は、トラウマの「拉致問題」を巡る軽率でお粗末な森首相の“失言”で日朝関係の先行きに暗雲が垂れ込めており、ホイホイとカネ(資金協力)を出せる環境にはない。クリントン大統領が訪朝するかどうかは、オルブライト長官の帰国報告を待って決断することになるが、日本政府は「日本にとっては、日本の関心事項が解決、または解決のめどがつく(時期の)方が望ましい」(柳井駐米大使=朝日から)と渋い反応。一見冷静だが、米中頭越し外交の二の舞を避けたいとの焦りも透けて見える。 ◇米朝をトップで報じたのは朝日、産経、東京と、昨日<NKK・川鉄統合へ 2002年度メド 本格調整>で飛ばし顰蹙を買った読売。毎日は、「拉致」発言の官房長官説明を森喜朗首相が国会で撤回したニュースをトップに持ってきた。 「うそつき三羽ガラスに喧嘩を売りに来た」と首相官邸に怒鳴り込んだ中山正暉前建設相の剣幕に押され、首相自ら答弁書を書き直したもので、攻める野党に格好の攻撃材料を与える結果となった。 が、野党の攻撃で政権は倒れない。不信任案を出しても通らないからだ。24日に予定されている党首討論も、「時間切れ」で首相が逃げ切ることが確実だが、若手を中心に広がりを見せる身内の“反乱”に果たしてどこまで抗しきれるか。「森では参院選は戦えない」というコンセンサスが出来上がりつつあることは確かだが・・・ ◇日経は今日もNTT絡みのニュース。郵政省がNTTコミュニケーションズやNTTドコモ(9437)など独占的な地位を持つ通信事業者に対する新たな規制を導入する方針を決めたという。「ドミナント(支配的事業者)規制」というそうで、詳しくは日経3面の『きょうのことば』を。
【IT】 通信市場の競争促進策については、現在、電気通信審議会(郵政相の諮問機関)で審議中だが、公正取引委員会が独占禁止法の観点からNTTの「私的独占」にメスを入れたことで競争政策の在り方を巡る論議に弾みがつく可能性も出てきた。
【トピック】 嘘はいつかはばれ、取り返しのつかない損失を被ると分かっていても嘘をつき通そうとする。雪印乳業(2262)の食中毒事件や、三菱自動車工業(7211)のクレーム隠しと似た構図が、今回の三洋電機の不祥事でも浮き彫りになった。森首相の「拉致」発言と同様、お粗末!の一言に尽きる。 ◇日本育英会が貸し付けている奨学金の返済滞納額がここ10年近くでほぼ2倍に膨れ上がっていることが、総務庁の調査で明らかになった。 奨学金は、「完済」を前提に成り立っている制度で、回収率が落ちれば業務に支障が生じる。滞納の急増は、世紀末の日本に蔓延しているモラルハザード(倫理観の喪失)を象徴しているようでもある。 [メディア批評家 増山広朗] ■URL・瓦版一気読み バックナンバー http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/
2000/10/25
09:01
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3/30(金) |
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