東京三菱銀行（1103）、三菱信託銀行（8402）、東京海上火災保険（8751）、明治生命保険の三菱系金融4社は、共同でインターネット上にバーチャル・モール（仮想店舗）を開設する方向で調整に入った。物販だけでなく、さまざまなサービスをネット上で購入した場合の決済を東京三菱銀などで行うほか、金融商品の販売・契約も可能にしたい考えだ。

　 ●三菱系の結束をアピール
　 東京海上が、みずほフィナンシャルグループと親密な朝日生命保険、日動火災海上保険（8760）と経営統合を目指す中、このプロジェクトで「三菱系」の結束強化をアピールする狙いもありそうだ。

　 三菱系各社は既に、支店政策でも、ひとつのフロアに4社がそろって出店する「ワンストップ・ショッピング」を順次展開することで大筋合意。早ければ来年にも第1号拠点を設置する方針だ。こうした4社共同プロジェクトに仮想店舗構想を加えることで、全国の一般消費者に金融商品のワンストップ・サービスを提供できるようにするのが狙い。

　 現在、東京三菱銀を中心に、同行がメーンバンクになっている流通系企業などに仮想店舗への参加を呼びかけているが、衣料などファッション性の高い商品の販売で若い女性に人気の大手百貨店、伊勢丹（8238）などの参加も有力だ。

　 さらに、三菱地所（8802）が持つリゾートマンションなどの不動産関連情報を幅広く提供することも検討項目に挙がっており、「三菱らしい消費情報」を幅広く発進できるコンテンツの構築を目指している。