ソニー（6758）は18日、国内外2工場を米ソレクトロン・コーポレーションに売却する、と発表した。ソニーは製造ラインをアウトソーシングすることで需要動向や商品サイクルに細かく対応した生産計画が実行でき、ソレクトロンは世界でも重要な位置にある日本と台湾の2拠点で拡大が図れる―といった双方の思惑が一致。従業員計2,050人も含めた譲渡に合意した。

　 合意内容は（1）ソレクトロンは、ソニーのソニー中新田工場（宮城県）とソニーインダストリーズタイワン（台湾）の2生産事業所（総面積延べ45,000平方メートル）を取得し、ソニーは両事業所にソニーのエレクトロニクス機器の製造業務をアウトソースする（2）ソレクトロンは2事業所を世界で展開している製造オペレーションの一つに位置付け、従業員計2050人も雇用する（3）ソレクトロンは2事業所でソニーとソニー以外にむけてエレクトロニクス製造サービスを提供する―など。現在、両工場ではカーナビゲーション、カーオーディオ、リチウムイオン電池などを生産している。

　 ソニーは「これによって全面的なファブレス化に踏み切るわけでは全く無い」とし、世界にある自社グループの製造拠点60カ所以上と今回のアウトソーシングを「上手く組み合わせて、生産を強化していく」とコメントしている。

　 また、安藤国威ソニー社長兼COOは「ブロードバンド・ネットワーク時代において、ソニーのコア・ビジネスであるエレクトロニクス事業を一層強化するためには、業務革新による効率化と成長分野へのリソース集中が不可欠」として、激変する市場需要にフレキシブルに対応できる体制作りを協調した。