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源泉分離の存続、2度おいしい兜町~クロス推奨で“ミニ特需” |
政府・与党が個人の株式譲渡益にかかる源泉分離課税の存続方針を打ち出し、証券界は「影響力のある有力者(の支持)が増えているのはいいことだ」(土田正顕・東証理事長)と胸を撫で下ろした。株価は年初来安値の水準で低迷を続け、「源泉分離が廃止されたら、個人投資家は二度と市場に戻って来ない」(大手証券)と危惧していたからだ。しかし、兜町は「源泉分離の廃止反対」を叫びながら、一方では大口の個人投資家に対して「廃止に備えてクロス売買を」と推奨しており、相変わらず強かな商売を続けている。
●不安心理に付け込み しかし、大蔵省の担当者は「取得価格が不明なケースはごく稀なのだが」と首をかしげる。同省、国税庁、自治省が共同で策定したパンフレットによると、保有株券の裏面に名義書換があり、取得時期が分かれば、価格は当時の新聞記事などを基に価格を算定できる。さらに、名義書換がなくても、「日記帳や預金通帳などで取得時期が把握できればよい」というから、相当に緩い基準である。
●早急に総合金融税制の確立を そもそも、源泉分離の存続は株価に対しては、一過性のカンフル剤にしかならない。ある証券団体の幹部は「廃止延期が1年程度なら、株価は反応しないだろう」と指摘する。日経新聞が1面トップで「廃止延期方向」を伝えた17日も、市場は冷たくあしらい、18日の前場では平均株価が1万5,000円割れとなった。一方、“秒進分歩”の金融商品の複雑化に、現行税制では対応できないのも事実。目先の対症療法ではなく、政府・与党は預金などを含めた総合金融税制の確立に向け、道筋を付けるべき段階である。 ■URL・日本証券業協会 http://www.jsda.or.jp/ ・株譲渡益の源泉分離課税は当面存続へ http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/17/doc724.htm
(兜太郎)
2000/10/18
11:34
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3/30(金) |
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