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コラム 瓦版一気読み(10月18日)

  情報は時とともに劣化する・・・

  【1面トップ】
  ●写真撮影の距離は縮まったが・・・
  クリントン大統領の両脇に寄り添うようにしてバラク・イスラエル首相とアラファト・パレスチナ自治政府議長が写真撮影に応じた。パノラマサイズでようやくファインダーの中に収まった昨日(17日朝刊)とは様変わりの構図だ。

  エジプトで行われていた緊急中東首脳会談は17日、暴力行為の即時停止や調査委員会の設置で合意。18日朝刊各紙は例外なくこのニュースをトップで報じた。

  国際世論や“身内”の批判を恐れる両首脳。仲裁役を買って出たクリントン大統領も、大統領選の焦点にもなっているこの問題の解決の糸口を見出せぬまま手ぶらで帰るわけにはいかない。諸々の事情を考えれば何らかの「合意」は早い段階で見えていた。

  問題はその中身だが、紛争の原因を究明する調査委員会に期限は設けず、この手の合意に付き物の「調印」も見送られた。いわば「玉虫色の決着」(朝日)で、「実効性には疑問を投げかける声もある」(読売)。

  案の定、両首脳は調停に応じる一方で、「向こうが悪い」と非難し合い、パレスチナのイスラム原理主義組織「ハマス」の精神的指導者であるヤシン師も「今回の合意に拘束力はない。我々は抵抗を続ける」と戦闘を継続する意思を表明している。

  100人以上の死者を出した紛争は、今だ解決せず。

  【IT】
  ●ITに7.000億円支出
  政府の総合経済対策の細目が固まった。日経によると、総事業規模は11兆円程度。一般会計から支出する国費は3兆9,000億円で、このうちIT関連への支出は7,000億円となる。IT関連支出の内訳は、光ファイバー網の構築など社会資本整備に6,000億円、残り1,000億円を基礎技能習得のための講習・職業訓練などに充てる。

  こうした景気テコ入れ策を年度内に実施すれば、2000年度の実質経済成長率は、政府見通しの1.0%を上回るはず、と堺屋太一経企庁長官。せっかちな堺屋サンの主張が通り、例年より2カ月も早いタイミングで政府見通しを修正することになった。

  19日の経済対策に合わせて決定される修正見通しはプラス1.5%(毎日)。0.5%の上方修正である。

  ◇ITの推進に弾みをつけるIT一括法案が20日の閣議で決定、IT基本法とともに開会中の臨時国会で成立が図られる見通しとなった。朝日によれば、改正される法律はしめて50本。「IT社会実現に向けた具体的な規制緩和策の第1弾となる」という。

  【トピック】
  ●失敗した「もう1つの調停工作」
  実効性のほどはともかく「合意」という成果を得、仲裁役としてかろうじて面目を保ったクリントン大統領。斎藤十朗参院議長も同じ夢を見ていたのだろうが、こちらの調停工作は不発に終わり、引責辞任に追い込まれた。

  根回し無しの大胆な調停案で国会正常化を目指そうとした斎藤議長だったが、シナリオなきチキンゲームに走る「ガチンコ国会」に弾き飛ばされてしまった。背景には、過去の法案採決などを巡る青木幹雄前官房長官との確執が、と各紙は解説している。

  ◇住友銀行、第一勧業銀行など21行が今日、東京都を相手に「銀行税」が無効であることの確認を求める行政訴訟を東京地裁に起こす(読売、毎日)。

  銀行税? そういえば半年前に大騒ぎになったなあ。

  石原(慎太郎知事)VS大銀行。この対決は見物である。

  [メディア批評家 増山広朗]

■URL
・瓦版一気読み バックナンバー
http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/

2000/10/18 08:59
3/30(金)
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