井上雅博社長

　 ヤフー（4689）の2001年3月期9月中間決算は、売上高が53億9,900万円と前年同期比2.5倍増となった。インターネット広告を本格的なメディアとして認知する企業が急増し、広告商品の大型化などにより売上高の94.2％を占める広告事業売上高が50億9,000万円と同2.8倍増加したことが寄与した。

　 利益面では、事業拡大に伴う人件費の増加や広告宣伝費の増加で販管費が同2.3倍増加。ただ、売上原価率が前年同期から2.3ポイント下がったことから、営業利益は20億9,200万円と同2.7倍増えた。経常利益は20億5,100万円と同2.8倍増、純利益は11億7,400万円と同2.8倍増。

　 9月の月間ページビュー（PV）は、33億6,813万PVと前年同月に比べて3.2倍増加した。月間PVをサービス別にみると、検索が25.1％、情報提供が19.1％、掲示板などコミュニティーが31.8％、電子商取引関係が23.6％、モバイルが0.4％で、検索以外のサービスの比率は74.9％となっている。

　 今後の展開について井上雅博社長は「ビジネス向けサービスとして米国で行っているネットロードショーを展開していく」と述べた。ロードショーとは、企業が株式を公募・売り出しするときに機関投資家などを訪問し自社について説明することで、これをネット上で行う。

　 米国と同様なモデルを考えており、ひとつは特定の機関投資家向けに通常のロードショーを動画配信するもの。もうひとつは、不特定多数に向けてIR（投資家向け広報）活動をヤフーブロードキャストで行っていくという2つのサービスを計画している。料金は、アンダーライター（引受幹事）から徴収する。米国、欧州、日本を核にグローバルサービスとしてヤフー全体で進めていく。