|
トップページに戻る | ||||
コラム 瓦版一気読み(10月13日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 これだけでも大ニュースだが、一夜明けたら<米大統領 訪朝へ>と、事態は急展開。米朝が発表した共同コミュニケでは、「双方が敵対的な意思を持たない」ことを宣言、新たな2国間関係の構築に「全力を尽くす」ことがうたわれた。クリントン大統領の任期が幾ばくもないことを考えれば、仮に同大統領の訪朝が実現したとしても、一気に国交正常化まで進むとは思えないが、「南北朝鮮対話に続く形で米朝関係が大きく動き出した」(朝日)ことは間違いない。 この大ニュースを、日本人拉致疑惑などの難問を抱える日本側はどう受け止めたか。 1,200億円の国費を投じて50万トンものコメ支援を決定してもなお、日朝国交正常化交渉の帰趨は不透明。そんな中で、急速な進展を見せる米朝関係に「米中の時のように今回も置き去りにされるのでは」と懸念する声が広がっていくことが予想される。 その結果、「バスに乗り遅れるな」といった議論が出てくれば、北朝鮮は「しめた!」とほくそ笑むことだろう。日本が焦れば、展開は北朝鮮に有利になるからだ。 「友好国」の米国も、米朝関係を進展させるために日本の“金権外交”を交渉のカードに使うかもしれない。どうするニッポン? 今日の1面トップは、日本にとっても重大な意味を持つ。 ◇各紙が米朝をトップで報じる中、産経は特定の中学歴史教科書について「教科用図書検定調査審議会」の委員を務める元外交官が、検定で不合格とするよう働きかけていたという“スクープ”を1面トップに持ってきた。「中国など近隣諸国の意向に配慮した多数派工作」で、外務省が関わっていた疑いも強いという。 自説を通すために多数派工作を行うことはよくあることだが、産経は審議会の外でコソコソやるな、意見があれば会議の場で正々堂々とやれ!と主張する。
【IT】 曰く、「子供がテレビゲームに興じ、お父さんやお母さんがパソコンに打ち込んでいる家庭の姿を見ていると、これでいいのかと疑問が湧く」。至極当然な疑問である。 しかし、である。それなら、日本中をパソコンづけにする「IT講習券」構想をなぜ担いだのか? アクセルとブレーキを同時に踏むような森サンの迷い、分からないでもないが、IT政策の推進を金看板に掲げる前に頭の中をキチンと整理しておくべきだった。 ◇親の心子知らず、か。親分が推進するIT革命を実現するには、まずお膝元の自分たちがパソコンを扱えなくては、と自民党森派の議員たちがパソコン研修会を開いた(日経)。 親分の懸念などどこ吹く風。初めてパソコンに触れる議員からは「デスクトップって何?」などの質問が相次いだという。デスクトップにノートブック、昔はラップトップと呼ばれたパソコンもありましたな。
【トピック】 堺屋サンの「一念岩をも通す」ということか。 ◇たびたび辞任を示唆していた自民党の野中広務幹事長が、12月初めの内閣改造・党役員人事で退任する見通しが強まった、と朝日が報じている。後任は、「村岡兼造元官房長官」が有力という。 そこで、北光一氏(「日本の政治を読む」の筆者)顔負けの大胆なシミュレーションを。野中氏が抜けてますます軽量化した森政権は、野党のふがいなさに助けられ、かろうじて低空飛行を続けるが、来夏の参院選で失速。政権は民主党を中心とする政治勢力に? 政治に関してはど素人の当て推量につき、責任は持ちません。 [メディア批評家 増山広朗] ■URL・瓦版一気読み バックナンバー http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/
2000/10/13
09:12
|
3/30(金) |
プライバシーについて | 編集部へのご連絡 | Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved. |
本サイトの内容につきましては万全を期しておりますが、提供情報がシステム等に起因する誤りを含んでないこと、すべての事柄を網羅していること、利用者にとって有用であること等を当社及び情報提供者は保証するものではありません。 当社及び情報提供者は利用者等が提供情報に関連して蒙った損害ついて一切の責任を負いません。投資等の判断をされる場合は、他の資料なども参考にしたうえで、ご自身の判断でお願いします。 |