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コラム 瓦版一気読み(10月11日) |
情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】 プラスチックは絶縁体であるというそれまでの常識を覆した白川氏の大発見は、プラスチック製の太陽電池や写真フィルムの帯電防止素材、携帯電話、切符券売機のタッチパネルなどの表示画面の開発へとつながり、IT革命の推進にも大きく貢献した。同時に発表された物理学賞でも、ITの基礎を築いた米ロの3氏への授与が決まり、ノーベル賞もいよいよIT時代に入った。 ◇産経の1面に、一瞬、我が目を疑った。ダイエー(8263)の中内功会長の会見写真が<ノーベル化学賞に白川氏>の記事に食い込んでいて、まるでノーベル賞を受賞したのが中内氏のよう。もちろん、これは寝ぼけ眼ゆえの錯覚。 閑話休題。社長・副社長のインサイダー株取引疑惑に揺れるダイエーは10日、中内会長が代表権のある取締役最高顧問に退き、鳥羽董社長と川一男副社長がヒラの取締役に降格する人事を決めた。日経がトップで、他紙も1面で報じている。 インサイダー疑惑だけなら鳥羽、川の両氏の処分で事が足りたが、リストラを巡る主導権争いなど社内のゴタゴタも絡んでいるため、「対立していた中内氏と鳥羽氏がダブル退任することで事態の収拾をめざした形」(日経)となった。 会長職は当面置かず、鳥羽氏の後任の社長に指名されたリクルート取締役・専務執行役員の高木邦夫氏(元ダイエー常務)の社長就任は来年5月。2兆円を超す有利子負債を抱えるダイエーは、半年間も会長・社長不在という異常事態が続くことになるが、よくよく見れば、オーナーで取締役最高顧問の中内氏だけが代表権を持ち続けるわけだから、中内氏の独裁色が以前にも増して強まることになる。 中内氏は、来年5月の株主総会で取締役を辞任する意向を明らかにしているが、蓋を開けるまでは分からない。<中内会長辞任><中内氏、来春退任へ>の大見出しが躍るが、筆者が整理部デスクなら<中内氏、鳥羽氏を更迭、再び実権掌握>の見出しを掲げたいところだが・・・
【IT】 随分と簡単な法案だが、基本法はあくまでも基本法。これに関連法案がぶら下がり、IT政策の体系が出来上がっていくわけだが、はたして実効性のほどは? ◇「補正予算に計上するIT講習の事業などにより、インターネット人口が現在の3,000万人から2001年度末には5,000万人に増加する」。堺屋太一経企庁長官がこんな見通しを明らかにした(朝日)。これで「IT先進国の仲間入りができる」と、堺屋氏は胸を張るが、この人の言うこと、最近とみに胡散臭い。そう感じるのは筆者だけ・・・ではないはず。
【トピック】 堺屋氏の早期改訂方針、2001年からの中央省庁再編に対応するための内閣改造を11月に控え、この辺で得点を稼いでおきたいという魂胆からか。 [メディア批評家 増山広朗] ■URL・瓦版一気読み バックナンバー http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/
2000/10/11
09:31
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3/30(金) |
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